「これからの時代は英語(をはじめとした外国語)をマスターしたほうがいい」ということをよく耳にするのですが、外国語を学ぶのは一苦労です。
『How to Learn (But Not Master) Any Language in 1 Hour (Plus: A Favor)』という記事に、「1時間で外国語を学ぶ方法」というのが紹介されています。
ただし「マスターできないけど」という注釈つきです。
以下、私なりの訳文です。
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この記事はリクエストがあったものです。中国語や日本語、スペイン語、アイルランドのゲール語を学ぶのにどれくらいの時間がかかるだろうか? 私は「1時間もかからない」と意見したい。
その理由は以下の通りである。
あなたが一つの言語の習得に何百、何千もの時間を投資する(浪費する)前に、まずその言語を分解するといい。プリンストン大の調査論文によると、神経科学と英語のネイティブスピーカーによる変わった日本語の取得方法に焦点を当てている。それはベルリッツ(Berlitz)のために組みなおされたカリキュラムと同じくらいよいものであり、この忘れられていた分解ステップは最も言語習得が早い人たちの習慣としても現れている。
今までに私は日本語、北京語、スペイン語、イタリア語、ブラジル系のポルトガル語、ドイツ語、ノルウェー語、アイルランドのゲール語、韓国語、その他たぶん12くらいの言語を分解してきた。
私はこれらの言語を完璧にマスターしていることからは程遠く、いくつかの言語においてはひどい状況である。だが、ほとんどの言語において問題はない―昨晩やってきたMITの生徒に複数の言語で会話して質問することについては。
2ヶ月から12ヶ月の間で、これらの言語を流暢に話せるようになるにはどうすればよいだろうか?
それには、言語を分解し、懸命に選び、それ以外をすべて捨てるのが良い。
新しい言語を学ぶことは、新しいスポーツにチャレンジするものと考えればよい。
これには身体的な必須条件(身長はバスケットボールにおける強みになる)、ルール(野球では、ランナーは必ずベースを踏まなければならない)、そして言語を取得することになった際に必ずすべてを熟練するという確信を持つこと。
言語に違いはない。あなたの道具は何か?、また彼らはあなたのターゲット言語のルールにどのように適用しているのだろうか?
もし、あなたがネイティブの日本語スピーカーであれば、それぞれ20を超える音素に関するハンディキャップがあり、いくつかの言語は習得不可能のように思える。(中国語のように)あなたが区別することのできない言語の代わりに、(スペイン語のように)音や言語構造が似ており互換性のある言語を選ぶことで、3年という時間の代わりに3ヶ月間で意味のある会話ができるようになる違いが生まれる。
3ヶ月を流暢になるまでに到達するための一区切りとして、私がロシア語とアラビア語を分解するときに最近使用した、いくつかの方法を見てみよう。どちらも飛行機で隣り合わせたネイティブスピーカーと会話するのに1時間もかからなかった。
黄金の6本の線
まず最初にいくつかの質問をしたい。簡単なバージョンはその後。
1.流暢に話せるようになるのを遅らせる、新しい文法構造がありますか?(「SVO」と「SOV」とか、名詞の構造など)
2.流暢に話せるようになるまで2倍?4倍かかりそうな、新しい音はありますか?(特に母音で)
3.あなたが理解している言語とどれくらい類似していますか?
何が手助けとなり、何が干渉しますか?
(以前の言語を消し去ることは出来ますか? スペイン語の後にポルトガル語を習得するように致命的な干渉を構造で取り除くことはできますか?)
4.すべての質問の答えにおいて、どれくらい難しいですか?また、流暢に話せるようになるまでどれくらいの時間がかかりそうですか?
これらの質問に対して、多くの回答はありません。あなたが英語から習得する言語に翻訳するのに必要なのはいくつかの短文です。
以下の文章は私の好きなものです。理由はその後に書きます。
The apple is red.
It is John’s apple.
I give John the apple.
We give him the apple.
He gives it to John.
She gives it to him.
この6つの短文が言語の多くの部分の正体と、多くの致命的な部分になりそうな所を明らかにします。
まず、これらの文章から、どのように動詞がスピーカーの基盤として活用されているか(性別と量の両方に従って)を見つける手助けとなります。さらに、すぐにいくつかの言語におけるポイント(uber-pain)を見つけます。遠まわしな目的語(John)、直接的な目的語(the apple)、そしてそれぞれの代名詞(him, it)。また、いくつかの否定語(”I don’t give…”)を含めた文で理解し、異なる時制、文を分けているのを表現している(例えば、中国語では “bu” が否定語にあたる)、動詞が変わるもの(日本語の”?ない”、”?ません”)。後者はクラックするのが難しい。
次に、文章の基本的な構造に着目する。英語や中国語のように主語 – 動詞 – 目的語(SVO)という形式か(”I eat the apple”)、日本語のように主語 – 目的語 – 動詞(SOV)となっているか(”I the apple eat”)、はたまた違う形式か。もし、あなたが英語のネイティブスピーカーであれば、SOV形式は慣れ親しんでいるSVO形式よりも難しいが、一度選んだことのある言語の場合(韓国語の文法は日本語の文法とほとんど同じで、ドイツ語では動詞で終わる構造が圧倒的多数ある)、あなたの脳は新しいSOV形式の言語に適用することができる。
3つ目に、最初の3つの文が、非常に恐ろしい名詞の形式があれば明らかにしてくれる。名詞の形式とはなんだろうか?
例えば、ドイツ語で、”the”でさえ簡単ではない。der や das、die、dem、den、さらに “the apple” が目的語か、間接的な目的語かによってさらに増える。非常に多い悩みの種である。ロシア語もたちが悪い。それが私が避け続けた理由である。
これらのことを6?10の文章で明らかにできる。そして、もう2つの文章をたす。
I must give it to him.
I want to give it to her.
この2文から、補助動詞が存在するかどうか、最後に動詞が変化するかどうかがわかる。あなたが上達するための先生を長期間必要としないとき、学習者という身分から独立する良いショートカットとして使える。”helping”という動詞は “to want” や “to need”、”to have to”、”should”などのように活用を学ぶために。スペイン語や他のいくつかの言語では、”I need/want/must/should” と無限の動詞を組みあわせてあなた自身のことを表現するのを認めている。6パターンの動詞のバリエーションを学ぶことで、すべての動詞が利用できるようになる。これは誰かと話すときの手助けにはならないが、可能な限り自主練習する手助けにはなる。
もし、これらの予備が動詞の変化を表現する場合(日本語ではしばしば現れる)、別々の単語の代わりに(例えば中国語)、最初に大変な時期があります。
音声と文字
私は即興詩の先生に翻訳文を書き出すことについて2度尋ねてみた。最初は正しいネイティブのライティングシステム(「スクリプト」や「綴り字法」と呼ばれるもの)、そして英語の音声学でもう一度、もしくはIPAを使っておおよその範囲で書き出した。
可能であれば、それらのアルファベットを通じて、それぞれの子音と母音の一つの例文を提供してくれる。経験上、母音の違いを見つけて区別するのは難しく、知らない子音や子音の組み合わせをマスターするには少なくとも10倍の時間はかかる(例えば、日本語の “tsu” にはいくつかの問題を抱える)。ポルトガル語を考えることは、いくつか異なる言葉を含んだスペイン語よりも遅いことになるか、もう一度考えてみよう。ブラジル系のポルトガル語の”開かれた”母音を練習するのに1時間かけるか。私は最初にあなたの口と喉のために氷を用意しておくことをオススメしたい。
言語の書くシステムの文字を通じて、50かそれより少ない、少なくとも一つの音声の書式体系言語の本当に実用的なものがわかる。スペイン語やロシア語、日本語には特にわかりやすい。中国語では単純な音でもトーンを変化させる、その音声システムのため、みじめにも失敗した。もし、中国のお偉いさんの後にいくならば、できればいくらか珍しいローマ字化されたピンイン(pinyin・中国語の発音) GR を選ぼう。最初に学ぶのは難しいが、私はちゃんとしたGRを使っている人で正確なトーンで話せるピンインを学んでいる人に会うことは出来なかった 。話をまとめると「トーンはGRでの綴りを示している(tones are indicated by spelling in GR)」、音節の上のマークで見分けるものではない。
すべてのケースにおいて、言語をスポーツのように楽しむ。
まずルールを学び、時間を投資する価値があるかどうか確定させる(あなたにとってベストか、平凡なものになってしまうか)、そしてトレーニングに集中する。目標を選ぶことは、方法よりもしばしば重要なものになります。
[追記]
これはとても役立つものか、もしくは愚鈍なものか?
このトピックについてもっと書いて欲しいか、それとも他のトピックについて書いたほうがよいか?
ぜひ知りたいのでコメントが欲しい。
さしあたって、ここに「ハーバードビジネススクールのもの (something from Harvard Business School)」を置いておきますね。