栃木県宇都宮市の北西部・大谷(おおや)地域の大谷石採石場。その跡地を巡るえにしトラベルさんのツアー「OHYA UNDERGROUND」に参加してきました。
採石場の跡地には地底湖が広がり、採石だけではない国家レベルで使用されていた場所でした。
宇都宮一帯に広がる採石の跡
大谷石(おおやいし)とは、軽石凝灰岩の一種であり、軽くて加工しやすく丈夫なことから、家屋の外壁や土蔵に使用されてきたものです。宇都宮では大谷石を使った壁や蔵を多く見かけます。
こちらは旧・帝国ホテルで使用されていた壺とのこと。
最盛期には100社以上あった採石を行う会社も、現在は7社。
そのうち1社の現場を見学。地下60mにも及ぶ穴を掘って採石されています。
昔使われていた採石用トンネル。中から冷たい風が流れてきます。
山間に入り、徐々に採石場跡が見えてきます。
岩山なので土の地層が薄く、倒木が多いとのこと。この木も倒れそうになっていました。
この写真の上の方、岩に多くの穴が空いていますが、これは「みそ」と呼ばれ、みそが多いと建材には向かないそう。
従って、みそが少ない岩の部分を掘り進め、その跡地が遺跡のような景観として残っています。
いよいよ地底湖へ。
地底湖の中の気温は1年を通じてほぼ5度前後。水温も同じぐらいのため、息が白くなります。
暗い地底湖を進んだ先には、また大きな採石場跡が広がっていました。
1年を通して室温が保たれているため、一時は備蓄米の保管場所としても使われていたこともあるとか。
外界から入ってくる音もなく、水が流れる音もないため、とにかく静かで不思議な空間でした。
大谷石採石場跡地を巡るツアーで行く場所のほとんどは私有地であり、土地のオーナーの皆様のご好意によって成り立っています。この場所の景観を保つためにも正式にツアーに申し込んで、安全に楽しんでください。
また、同じ大谷地区には大谷資料館や大谷観音などの観光施設もありますので、1日かけて堪能してみてはいかがでしょうか。
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