あ…ありのまま、今回起こったことを話すぜ!
「おれはビール祭りで飲んでいたら、いつの間にか台湾に行くことになっていた」
な…何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何が起こったのかわからなかった…
ドッキリだとか超展開だとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっとあり得ないことの片鱗を味わったぜ……
けやきひろばビール祭りで飲んでいたら外国人YouTuberが現れる
事の始まりはさいたまスーパーアリーナで開催された「けやきひろば 秋のビール祭り」から。
「けやきひろば ビール祭り」は毎年春と秋に全国各地・世界のクラフトビールが一同に会し、ビール好きの仲間で盛り上がる大人気のイベント。
私も日曜日のお昼すぎから妻と友人たちと一緒に美味しいビールと食事を楽しんでいました。
夕方近くに差し掛かった頃、「私は大QというYouTuberです。」という中国語と日本語で書かれたフリップを持ったYouTuberが現れ、撮影を行っていました。
その時は「ビール祭りは外国人にも人気なんだなぁ」、「YouTuberはこういう場でサッと撮影してアップするんだから、すごい行動力だよなぁ」と思ったものの、それ以後は気にせず仲間と飲み続けました。
「今度の金曜日、台湾にある私のブルワリーを見学に来ませんか?」
飲んでいたビールが空いた頃、妻が「台湾ビールのお店にある魯肉飯(ルーローファン)が食べたい」というので、私も付いていて行って台湾ビールを買うことにしました。
今回のビール祭りには約90のクラフトビールメーカーが出店しており、その1つとして台湾のクラフトビールメーカー「SUNMAI」(サンマイ)があり、ビールと一緒に魯肉飯も販売していました。
妻が魯肉飯を頼み、私がビールを選んでいた時、先程のYouTuber・大Qさんが「ここのビールをごちそうするので感想を聞かせてほしい。」と、声をかけてきました。
ビールをごちそうしてくれるというのを拒否するのも失礼なのでありがたくいただく私。「YouTubeを撮影しても良いか?」と聞かれたので、ごちそういただいたお礼に「美味しい」というリアクションを取る私。大Qさんやスタッフの方の反応も良さそう。
すると、大Qさんは「1つゲームをしましょう」と言い、スタッフの方がフリップをめくります。しかし、フリップは中国語で書かれており、何と書かれているか読めない私。
どんなゲームだろうと思っていたら、スタッフの方が日本語で説明を始めました。
「私はこのSUNMAIのCEOです。今度の金曜日、台湾にある私のブルワリーを見学に来ませんか?」
CEO? ブルワリーに見学? 台湾? 今度の金曜日?
まったく理解が追いつかない私をよそに、妻が二つ返事で「台湾!? 行く!!」と即答。私もほろ酔いの勢いもあって「行きます!」と回答し、「みんなで台湾に行こう!」というシーンを撮って撮影は終了。
ドッキリか、視聴者向けのジョークか何かかな、と思っていると、スタッフさんから「本当ですよ。台湾に行きましょう。」と言われ、その場で打ち合わせ開始。
スタッフさんから「私はSUNMAIのヴァイスプレジデント(副社長)のRobinです」と自己紹介され、私たちとRobinさんとのLINEグループが作られます。
「金曜の朝に羽田から台湾に出発します。帰りは日曜日で良いですか?」、「ブルワリー見学は初日に行います。2日目と3日目は自由行動なので行きたい所を考えておいてください。」など説明されて解散。
半信半疑ながらも友人たちの所に戻り、「台湾で何しよう?」というトークに華を咲かせながら飲み直しました。
本当に台湾行きのチケットが送られてきた
今日の出来事が信じられないまま帰宅した後、検索を開始。
SUNMAIのビールやブランドのこと、SUNMAIは2016年にリブランディングした名前でその前は「金色三麦」という名前だったこと、本当に大QさんはCEOで、Robinさんは副社長であること。
「どうやら本当かもしれない……」
と思い、旅行に必要な情報をRobinさんにLINEで伝えると、数十分して「飛行機のチケットを確認してください。」というメッセージとともに、旅行の行程表とチケットの予約画面が送られてきました。
「これは、本当に台湾に行くのか……!?」
と思いながら、眠りに落ちた私。
翌朝、予約画面を見直して、現実ではないかと思い始めました。
搭乗開始時間の5分前になっても誰も現れない…
初めての台湾。出発は4日後の金曜日。
私が持っていた台湾のイメージは台湾料理にタピオカドリンク、台湾風かき氷、千と千尋の神隠しの舞台、親日という程度。
るるぶ台湾やBRUTUSの台湾特集を見ながら行きたい所や食べたいものなども考えるものの、仕事でバタバタしたこともあり、あっという間に出発前日に。
出発は7時半で早朝5時半にチェックインという予定。その時間はまだ電車もバスも動いてないため、羽田空港近くのホテルで仮眠を取って羽田に向かい、チェックインを済ませます。
Robinさんから「当日は搭乗口で待ち合わせましょう」と伝えられていたので、チェックインを済ませて搭乗口に向かったものの、大QさんやRobinさんたちはおろか、他の乗客もまだあまりいません。「到着しました」とLINEして、早朝の羽田空港の雰囲気を味わいながら待つことに。
LINEしてから5分経っても、30分経っても、LINEは既読になりません。思い起こせば出発までのやり取りでも初日のチケット手配の連絡以降、あまり返事が帰ってきませんでした。「Robinさんは副社長だから仕事がいそがしいのかな」と思いつつ、ここに来て、「やはりドッキリなのではないか」という考えがよぎります。
とはいえ、すでにチェックインして出国手続きも完了済。台湾行きの飛行機に乗ることができ、3日間の滞在費もあるため、たとえドッキリだとしても台湾で遊んで帰ることができます。
搭乗開始時間の5分前になっても誰も現れず、本当にドッキリだったかと思っていた所、カメラを持った大Qさんが目の前に現れました。5日ぶりの再会を喜ぶとともに、突如「本当に台湾に行くんだ」という気持ちが大きくなる私。
大Qさんが私達が飛行機に搭乗する様子を楽しそうに撮影するのを横目に見ながら、台湾行きの飛行機に乗り込みました。
『翔んで埼玉』に郷土愛を感じながら台湾へ
台湾の台北市内にある松山空港は、羽田空港から約3時間半。新幹線で東京から大阪に行くくらいの時間で到着します。
飛行機の中では映画を観ることができ、その中の1つに観たいと思って観る機会がなかった『翔んで埼玉』があったので視聴。
ネタ先行の作品のイメージでしたが、埼玉愛、郷土愛にあふれた作品。
「大QさんやRobinさんも台湾のクラフトビールを世界に広めたい、という気持ちでは通じるものがあるのかな」などと勝手に考えながら、あっという間に台湾の松山空港に到着しました。
台湾に降り立った私たちは、台北市の隣の三重市あるSUNMAIの本社とブルワリー見学に向かいます。