昨日、Action Blogger’s Night!! 2009 夏モデル「ネット住人が観たくなるテレビ番組を考える」を開催しました。
小雨の降る中、出席率もほぼ 100 %(!!)で、約 30名の方々と「テレビ番組」についてワイワイ盛り上がりました。
今、観ているテレビ番組ランキング発表!
今回のイベント開催にあたって、参加者から「今、観ているテレビ番組は何ですか?(複数回答可)」というアンケートをとりました。参加申込者 30 名から、計 72 番組の回答がありました。
以下、参加者が観ているテレビ番組ベスト3です。
第1位『アメトーーク』(EX)
第3位『とくダネ!』(CX)
『ワールドビジネスサテライト』(TX)次点『めざましテレビ』(CX) ※音声注意
『モヤモヤさまぁ〜ず2』(TX)
『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)
『全力坂』(EX)
『渡辺篤史の建もの探訪』(EX)
『あらびき団』
なんとも偏ったランキング……
IT/Web系、広告系を仕事にしている 20代後半から 30代の男女30名の結果としてご覧ください。
見事に昼間・ゴールデンタイム(19時から22時)の番組はランクインしませんでした。これは昼間は仕事しており、帰る時間も遅くなることから、あまり観られない、ということなのでしょう。
一方で「タモリ倶楽部」、「全力坂」、「渡辺篤史の建もの探訪」など、視聴者ターゲットがピンポイントな番組が多くランクインしています。
今回ゲストでお呼びした放送作家の荒井健介さんも、
「今までは広く一般的な視聴者に向けた番組がウケていたが、
今後は特定の視聴者に向けた番組作りがウケている、ということだろう。」
とコメントされていました。
また、「DVD や HDD に録画して見るか?」という質問を参加者にした所、
「ドラマは録画して観ることもある」
「いつも観ている番組は見逃さないように録画するけど、
あえてゴールデンとかの番組は録画しない」
という回答がかえってきました。
個人的な印象ですが、昼間のワイドショーやゴールデンタイムのバラエティ番組などは「HDDなどに録画してまで観るほどでもない」ことから、見なくても困らない「暇つぶし」感覚ではないかと思います。
一般視聴者世帯とは生活時間帯の違いなどがあると思いますが、ランクインしている番組は単なる「暇つぶしに楽しむ」のではなく、「自分にとって何らか新しいことが得られる」という+α の要素がある番組であるということを感じました。
テレビ番組企画制作グループワーク
イベントの後半は、実際にテレビ番組の企画を作るグループワークを行いました。
お題はこちら
2つのキーワードを掛け合わせて番組企画を考えてください。
- 番組ジャンルは自由。
- 20個のキーワードの中からキーワードを2つ選び、番組タイトル、企画の意図、コーナー案(展開案)を3つ以上書き出す。
- 余裕があれば、企画内容から放送時間帯、理想のキャスティング案も考えてみる。
【キーワード】( 2009年7月22日発行の「読売新聞」からピックアップ)
『日食』『百貨店』『100円』『新幹線』『留学』『トンネル』『オペラ』『ベテラン』『マトリョーシカ』『こだわり』『イケメン』『リズム』『インターチェンジ』『決戦』『スキャナー』『コスト』『TOKYO』『カルチャーショック』『放課後』
ちなみにゲストの荒井さんが、イベント開始前15分で考えた企画例はこちら
『こだわりマトリョーシカ』
放送時間:CS(サイエンスチャンネル的な所)
プライムタイム(22時以降)で 15分の帯番組(月曜から金曜まで毎日)開けると次々に新しい人形が出てくるマトリョーシカ。そんなマトリョーシカのように様々な職人そのものを掘り下げていく番組
コーナー案:職人紹介、職人こだわりの道具、職人の日常、職人の夢
ナビゲーター:矢口真里、加藤あい など
いつも見ているニュース番組と深夜バラエティ番組の合間に放送されていたら、ついつい見てしまいそうな内容です。
こんな感じで参加者同士でチームを4つ作り、ハイスコアキッチンのおいしい料理とお酒を楽しみながら、新番組の企画を作っていただきました。
みなさんならどのようなテレビ番組を作りますか?
考えてみてください。
各チームのテレビ番組企画発表
約30分という短い時間ながら、4チームすべてが素晴らしいテレビ番組の企画を作り上げていただきました。
以下、各チームの新番組企画案の概要です。
※うろ覚えなので、タイトル/内容等間違っていたらご指摘ください。
1.『ベテランインターチェンジ』
『プロフェッショナル 仕事の流儀』の逆パターン。
プロフェッショナルでは失敗から成功への道のりを描かれるが、この番組では成功者の転落人生を描く。その中で過去のターニングポイントにおいて「あの時、ああしておけば良かった……」という理想イメージの VTR を作成する。その VTR を見てスタジオの解説者や経営コンサルタントの辛辣な意見を聞く。キャスティング案:山本圭一(元・極楽とんぼ)、沢尻エリカ
個人的には以前、日経新聞で連載されていたいろんな会社の失敗を取材する特集に近く、「過去の失敗から学ぶことは多い」という点からとても面白そうでした。
荒井さんから「主人公を落としっぱなしでは観ている方も救われないので、最後に救いが必要かも」というコメントでした。
2.『放課後スキャナー』
「ネット住人の放課後をスキャンする」というコンセプトで、ウェブ上で話題になっているニュース(『痛いニュース』など)を実際に検証、体験して放送するニュース番組。また、ウェブ上で盛り上がったニュース、炎上した話題などの追跡調査なども報道する。
企画案:ロッテリアの「絶妙ハンバーガー」はどこまで返品が許されるか。
荒井さんからは「ウェブ上で盛り上がっている話題を取り入れる、というのは今注目されている。ただ、ネタ的にスポンサーがつきづらい……」というコメントでした。
毎日放送されているニュースは「その後どうなった?」というものも多いので、ウェブ上の話題に限らず、追跡調査報道というのは欲しいなと思います。
3.『日食オペラ』
「日食特番」の裏番組。国民的一大事の時にキー曲が横並びに特番しかやらないのに、テレビ東京のみアニメを放送して記録的視聴率をたたき出すことへのオマージュ。
日食の状態によって「ダイヤモンドリング」などの呼び名が変わることから、改名した芸能人・著名人をゲストに招き、日食の状態にあわせて呼び名やテロップを変えていくトーク番組。ゲスト案:GACKT(Gackt)・藤岡弘、(藤岡弘)・阿藤快(阿藤海)・モンキッキー(おさる)など
4.『解散オペラ』
上の番組企画と同様のオマージュで「衆議院解散特番」の裏番組。
衆議院の解散の際に「バカヤロー解散」など名づけられることから、いろんなミュージシャンやグループの解散に名前をつけ、過去を振り返る番組。ゲスト案:ウルフルズ「仲良さそうなのに…解散」・J-WALK「何も言えなくて…解散」など
前半は、個人的には「改名」という所に焦点を当て、その後の人生の変化を見るというのは興味があります。ただ、「日食特番の裏番組」ということで、放送予定が 26年後の 2035年ということになります……
後半は、Cazuki さんから「J-WALK ありきだよね」という一言。
衆議院解散特番の裏番組で懐かしのミュージシャン、グループ特番というのは観る人多そうですけどね。
5.『イケメンカルチャーショック』
見た目カッコいいのにどこか残念な「カン違いイケメン」を取り上げ、いろんなカルチャーショックを与える「イケメン鼻折りバラエティ」
「カン違いイケメン」クンの容姿やファッション、行動についてプロのスタイリストや女性目線から厳しい指摘を与え、天狗になっている鼻を折ってあげようという内容。キャスティング案は優香、蒼井優 など
ウェブ上のあらゆるモテノウハウを肯定させる「ただしイケメンに限る」というキーワード。ただ、その「イケメン」が適応される人はあまり多くない(とネット住人は思っているだろう)。そこで世にあまたいる「カン違いイケメン」にショックを与えようというのが面白い。
「このままだとスポンサーはつきづらい……」というコメントもありましたが、膨らまし方によって、いろいろ展開できそうな感じがしました。
個人的には「グータンヌーボ」みたいな感じで、「カン違いイケメン」のファッションや行動について、スタジオの女性陣が本音で厳しく指摘し、改善させる流れになると面白いかな、と思いました。
以上、4チームから5つの新番組の企画が出ました。どれもネット住人の特性をうまく捉えた、面白いテレビ番組の企画だと思います。
最終的に、ゲストの荒井さんが選んだ最優秀企画は「イケメンカルチャーショック」となりました。
今回、みなさんに考えていただいた企画は荒井さんがより深く練りこんで、実際に番組制作企画として提出してくれる、とのことです!
早ければ、来年の新春特番で観られるかもしれません。
今後のイベントについて
今回、Action Blogger’s Night!! としての1年ぶりのイベントとなりました。イベントの進行等が緩すぎて、最後30分ほどオーバーしてしまったことは、反省致します。
今後もこのようなゆるくて面白く、根はマジメな楽しいイベントを企画、開催していこうと思います。ただ、名称は「Blogger」と入っているとブロガー限定企画だと思われてしまうので、イベント名/チーム名も変えることも考え中です。
今回、ご参加いただきましたみなさま、会場としてご協力いただいたハイスコア・キッチンさま、素敵な差し入れをいただきましたイエイリさま、USTREAMライブ中継/そらのさんのダダ漏れをごらんいただいたみなさま、本当にありがとうございました!