広告コピーの感じ方

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広告コピー

最近のTV-CMなどの広告における表現について、気になっているニュースが多くあります。

公共機関に掲載されるポスターだからNG?

まず、岩手県奥州市の黒石寺蘇民祭のポスターの男性の写真について、JR東日本が「見る人に不快を与える恐れがある」として、ポスターの掲示を拒否したというニュース。

確かに指摘されているポスターを見ると、メインにひげを生やした上半身裸の男性の写真、後ろの方には祭りに参加するふんどし一丁の男性達の写真で構成されており、パッと見では驚いてしまいます。
これが「セクハラ」にまで該当するかどうかは一人ひとりの感覚次第だとも思いますが、多くの方が利用する公共機関の構内に掲示するポスターとして、できる限り不快な思いをさせたくないとの配慮だったのでしょう。

「ブラジャーが透ける」ってどうなの?

また、日本コカ・コーラの飲料「からだ巡茶」のテレビCMのなかで女優・広末涼子さんの「ブラジャーが透けるほど汗をかいた最後っていつだろう?」というセリフについて、一部の視聴者より「不快」との指摘があったとのことで「こんなに汗をかいた最後っていつだろう」に差し替えられました。

私がこのCMを最初に見て、セリフを聞いたとき、
「ブラジャーって透けるんだ。」と思ってしまいました。
その後は、女性が運動して汗をかいて、ブラジャーが透けているところを想像したりもしてしまいました……
おそらく、「下着が透けて見えるほど汗をかいた」ということで、この表現だとNGだということで言い回しを変えたものだと思いますが、他の表現はなかったのだろうかとも思います。

「腐る」という表現は化粧品としてOK?

 
また、化粧品のCMで天然・自然の成分にこだわった化粧品であることをうたうため、「腐る化粧品」というキーワードを用いているCMもありました。
化粧品としてのセールスポイントとしては分かるのですが、その表現として「腐る」というキーワードを聞くと、私は「化粧品が腐ってしまった状態」をイメージしてしまいます。
これらのCMを見た感想はあくまで私個人の感想であり、「あれは不快だ」と感じる方もいれば、「そこまで神経質になることか?」と感じる方もいらっしゃると思います。
企業としては広告宣伝を行う際は、ターゲットとする層に対してできる限り広く受け入れてもらい、購入してもらうこと。もちろん、ネガティブなイメージは与えたくないと考えていらっしゃると思います。

意味で書いて、生理でチェックする

以前に読んだ『広告コピーってこう書くんだ!読本』(谷山 雅計・著)の中に、広告コピーを書くときのコツの一つとして上のように書いてありました。

人は言葉を書くときには意味や論理で書くが、読んだり聞いたりして言葉を受けとるときには、意味よりも先に生理的な部分で受けとる。

コピーを書くときには、受け手の気持ちになることが大切。自分の書いたコピーを「生理的にどう感じるか」と考えてチェックすると良い。

ということがコツの一つとして紹介されています。
上で紹介したイベントのポスターやTV-CMにおいても、制作段階では「イベントの内容、商品のセールスポイントなどを的確に表している」と判断されたのだと思いますが、実際に一人の視聴者として広告を見た瞬間、どのように感じるかが重要であるということです。
ポスターやCMを見た時、「不快だ」「イヤな感じだなぁ」と感じてしまうと、それ以降イベントや商品のことを受け入れられなくなります。
ネットショップを運営されている方がTV-CMを放送されることは少ないと思いますが、これはメルマガのキャッチコピーやOverture・Google AdWordsなどのPPC広告のコピーを作成する上でも同じことが言えると思います。
広告の制作段階で、一人の視聴者としての感覚を捉えることは難しいものです。広告を出稿・掲載する前に、日にちをおいて自分で見直してみたり、制作に携わっていない人に見せて反応を見たりして、確認すると良いでしょう。
お客様に不快な思いをさせることなく、心をつかむコピー・広告を制作して、より良いプロモーションを行っていければと思います。

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