あなたは、
「ビリーズ・ブートキャンプ」を買いましたか?
テレビや雑誌、ネットなどで話題のラーメン屋の行列に並びましたか?
クリスピー・クリーム・ドーナツを並んで買いましたか?
これらの行動に当てはまった方は、ぜひこの本を読んでおいた方がいいかもしれません。
騙される脳 〜ブームはこうして発生する〜 目次
まえがき 脳はウワサに騙される
第一章 一大ブームが起きる理由
第二章 あの店に行列ができる理由
第三章 ベストセラーとクチコミの関係
第四章 脳はブランドに騙される
第五章 ゴッホもブランドだった!
第六章 病気マーケティング
第七章 健康法ブームにもウラがある
第八章 クチコミに騙されない方法
「新しい」記事を投稿し、多くの反応が得られると「予測してやる」と快楽が得られる
「ドーパミン」は、人間の欲求が満たされる時に放出されるホルモンです。ここでの「欲求」とは「水が飲みたい」とか「眠りたい」などの生きていくために必要不可欠な欲求から、「仲間の輪に入りたい」とか「ほめられたい」、「愛されたい」などの社会的な欲求まで様々です。
この「ドーパミン」が一番分泌される状況について、以下のように書かれています。
このドーパミンがいちばん分泌されるのが、他人よりも先に「新しい」ことをやれば満足な結果が得られると「予測して」する場合だとわかってきました。この「新しい」「自分で」「予測してやる」この三要素がそろい、その結果が出た瞬間に、快楽の脳内物質ドーパミンが脳内で分泌されるのです。これが、今いわれている「報酬系」という働きです。
先日参加した「ブロガー勉強会」で聞いた「読まれるブログを書くコツ」の「読み手の知らないことを書く」ということは、
「読者が『読みたい』と思っているネタを、誰よりも早く投稿する」ということであり、「読者からコメントやトラックバック、はてブ登録などの反応が得られ」と予測して投稿することで、ブロガーの欲求が満たされているのです。
「こういう記事を書けば、コメントやトラックバック、はてブがいっぱいつくだろうなぁ……」と思い描きながら、投稿した記事がはてブ登録され「注目のエントリー」に入ると「イヤッホウゥ!」と快感が得られる、ということです。
参考
「クチコミ」の正体は「自慢」の連鎖!?
ブームが作られる大きな要員の一つとされている「クチコミ」ですが、そのメカニズムはよくわかっていません。
著者は「可能性のある考え方」として「自慢」というキーワードを取り上げています。
自慢を生み出す過程では、脳内物質ドーパミンの分泌が大きく影響しています。他人よりも先に「新しい」ものを「自分で」やる、やれば「満足な結果が得られる」とう変化で生まれる快楽です。
誰よりも先に、
「深夜の通販番組で『ビリーズ・ブートキャンプ』を購入して、入隊した感想を友達に話す。」
「『クリスピー・クリーム・ドーナツ』を並んで買って、友達と一緒に食べる」
「『表参道ヒルズ』や『丸ビル』、『東京ミッドタウン』に誰よりも先に行って、写真レポを報告する。」
という行動をとって「自慢」し、話をした相手やブログの読者から「わー、すごい!」などの予測した反応を得ることで快楽を得る。また、それと同じ行動を、今度は別の人にとることで同じような快楽を得る。
このような「自慢」の連鎖によって、人々は「新しい情報を相手に伝える」ということで快楽を得て、社会的には「ブーム」となって広がっていくのではないか、ということです。
また、より「ドーパミン」が分泌される状況があるそうです。
このドーパミンがいちばん分泌される、つまり快楽を感じるのが、「予想していた」ことが「実現される」ときです。しかし、もっとドーパミンが出るのは、「予想外のこと」が起きたときです。
つまり、「予想外のこと」が起こる、「自分の予想を超えたこと」が起こるときに、より強い快感が得られるということです。
投稿したブログの記事が「はてブで10userくらいはブクマされるかな」と予測していた所で、1000user超に登録され、100万PVを得たら、自分の予想を遥かに超えたことにものすごい快楽が得られるのではないかと思います。
その他、本の中では「ブーム」となった商品やブランドについて、どのようにしてブームが発生したかが考察されています。また、この本自体も「騙される脳」の要素を上手く活用した内容になっています。
「ブーム」の作られ方が知りたい!とか、もう「ブーム」に騙されたくない!という方、この本で( 777円(税込))「騙され方」を学んでおきましょう。