もうすぐテレビCMは通販ばかりになるのではないか

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私は普段、日中はテレビをつけず、もっぱらラジオを聴きながら仕事をしています。理由はテレビをつけていると見入ってしまうから。
しかし、先日、「ガチャピンがテレフォンショッキングに出演する」というので、久しぶりに昼間にテレビを見ました。
一通りコーナーを見て、CM に入ると、1つの CM が目にとまりました。健康食品通販の CM でした。

昼間の時間帯は健康食品通販の CM が多い?

前に、日中でもそれなりに見ていた時は目にとまらなかった健康食品通販の CM。
おそらく、それまでも放送されており、私の目にとまらなかっただけなのでしょう。
しかし、お昼の全国放送の人気番組という、おそらくナショナルクライアントの CM で埋め尽くされるであろう広告枠に、健康食品通販の CM が流れたのが個人的に驚きでした。
これと同じようなことを、年末年始で感じたことを思い出しました。
今年の年末年始に実家のある熊本に帰省し、かなり久しぶりに1日中ぼーっとテレビを見て過ごしました。すると、日中はかなりの数の健康食品・サプリメント通販の CM が放送されていたのです。
ヒアルロン酸、アミノ酸、プロポリス、基礎化粧品、などなど。
あらゆる健康食品、サプリメントが「これで良くなりました」という個人の感想とともに宣伝されます。
テレビCMを放送するということは、それだけ効果があるということ。地方の日中の番組という、おそらく高齢者が多く見ているであろう番組枠に、健康食品・サプリメントの通販CMが多く放送すると効果が高いということは想像しやすいものです。
それにしてもかなりの数の通販CMが放送されていたように思います。

テレビCMの費用対効果をしっかり把握している通販会社

「テレビCMを打つと効果がある」とはいえ、やみくもに放送していては効果がないというのは、すでに周知の事実です。それは多くのナショナルクライアントがテレビCMを見放し、広告が集まらないという現実からもわかります。
通販会社もテレビCMの費用対効果をしっかり把握して活用しています。
熊本にある化粧品通販会社「再春館製薬所」のテレビCMの活用術について、2009年9月7日に放送された「カンブリア宮殿」にて紹介されていました。
再春館製薬所では、CMを放送する

  • 放送局
  • 番組とその内容
  • 時間帯

から、過去の CM 放送後の問い合わせ実績を予測し、コールセンターの人員を配置しているそうです。
つまり、どの放送局のどの番組に CM を打てば一番効果があるのか。その上で、CM 後の問い合わせにすべて適切に対応するにはどれぐらいの人数が必要か。
ただ「効果がある」からといってやみくもに CM を打つのではなく、テレビCMの費用対効果を最大値にまで高めるため、データを分析して常に改善されているということです。

テレビ番組の影響力はいまだに高い

「テレビはもう効果がない」という声もありますが、まだまだそんなことはないようです。
つい先日も、テレビ番組で紹介された食材が、楽天ランキングの上位を独占しました。

 「昨日から、楽天市場のランキングがすごいことになってるの、知ってます?」

 そう聞いて、楽天ランキング市場にアクセスして驚いた。男女ユーザーを合わせた総合ランキングの結果だが、1位から4位まで黒豆、8位、10位も黒豆。12位?17位もすべて黒豆……。昨日(3月30日)は1位から10位まですべて黒豆だったらしい。

 どうしてこんなことになっているのだろう? とちょっと調べたらすぐに理由は判明した。3月29日に日本テレビが『寿命をのばすワザ百科』という番組で、黒豆を食べるダイエット法を取り上げたのだ。安田大サーカスのHIRO(ヒロ)さんが、このダイエット法を試して1カ月で20キロやせたのだという。

Business Media 誠:楽天ランキングを黒豆が独占している理由』より

「テレビ番組で紹介される」→「インターネットで検索して購入」という流れは、もはやあたり前になっているようです。
いまだ、テレビは消費者に対して根強い影響力を持っているということが言えるでしょう。
ただ、消費者の方もわかってきており、ただ単に商品を宣伝されるだけでは動かされません。そこは制作側も熟知しているようで、宣伝の作り方も巧妙になっています。

テレビつけたら、テレ東の「感動的なドキュメンタリと見せかけて、最終的に青汁の宣伝にたどりつく番組」

Twitter / necoze』より

[テレ東の番組の基本的な流れ] 一般人の半生を振り返る的なドキュメント→突然襲う病→闘病→克服→エピローグ→そんな彼を支えていたのは青汁→青汁の効用→宣伝」

Twitter / necoze』より

消費者に宣伝と思わせず、より自然に、より共感させ、より消費者の欲求を掘り起こすCMが増えていくことは間違いなさそうです。
テレビ局としても広告が集まらない現状において、自社で通販を始める所も増え、自社通販番組も増えてきました。
今、CMをもらっている通販会社の効果を見て手法を学んだら、自社で通販CMを打ち、直接売上につなげる、ということも十分に考えられます。
さらにテレビCMに限らず、テレビ番組内にて宣伝と思わせず、「情報」や「企画」として提供されることも増えていくかもしれません。
今後、テレビ番組を楽しむうえで「実は宣伝」ということを頭に入れて楽しむ、ということを改めて考えておくとよいかもしれません。

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