最近「アメブロが成功している」というブログ記事をよく見かけます。
何をもって「成功」なのかがよくわからないのですが(ユーザー数?、認知度?)、アメブロが成功したとされる大きな要因は「SNS」化できたから、だと思います。
「どこでも同じ」なら「知っている人が使っているところ」で。
私もライブドアブログを使用していたとき、「ブログ始めるならどこがいい?」と聞かれることがあり、そのたびに「ライブドアがいいよ。」と勧め、時には開設の手伝いもしていました。今でも、その内の何人かはブログを書き続けています。
友人達の希望は「使いやすいところ」、「かわいいデザインのあるところ」、「デザインのカスタマイズができるところ」などがありますが、一番の決め手になったのは、ほぼ「私が使っているから、何かあったときに相談できる」ということでした。
『アメブロの戦略が成功しているのでサイバーエージェントさんが最近注目です : ロケスタ社長日記』にて、
「ライブドアブログってさー、芸能人で言うと誰が書いているの?」
というのも、好きな芸能人が使っているかどうか、が大きな決め手になっているからでしょう。
アメブロに組み込まれた「ペタ」「アメンバー」「メッセージ」
最初に「アメブロが成功したのは『SNS』化できたから」と書きました。アメブロには、mixiなどのSNSにある機能が組み込まれ、多くの人に活用されています。
mixiのあしあとにあたる「ペタ」、マイミクシィにあたる「アメンバー」、1対1のコミュニケーションができる「メッセージ」。これらの機能はSNSではあたり前にある機能ですが、ブログサービスとしてはあまり提供されていません。
これらの機能をサービスとして組み込み、SNSよりオープンで、かつ有名人とも気軽に「つながる」ことができるようにした、などの複数の要因が上手く組み合わさったことで、成功したのでしょう。
ブログサービスとしては成功したが、頭打ちになったあとは?
SNSの機能の組み込み、芸能人ブロガーの取り込みなどによって、アメブロは一つの成功を収めました。しかし、ここで一つの違和感を感じます。
これはアメブロだけに限ったことではないのですが、「アメブロユーザーは、アメブロから外に出ることをあまりしないのではないか」ということです。
『とある女の子たちがアメブロを選んだ理由 – 新宿』に
このように、踊り手さん同士、あるいは踊り手さんとそのファンの人たちは、アメブロを通じて交流を深めていくわけです。
と書いてあるように、アメブロユーザーはアメブロ内での交流が深くなりますが、その他のブログユーザーとの交流はあまりありません。
私もライブドアブログを利用していたときは、ライブドアのランキングをチェックし、ライブドアの新着記事を見て、面白そうなブログにはコメントを書いたり、関連記事を書いてトラックバックを送ったりしていました。しかし、その他のブログにアクセスしてランキングをチェックしたりすることはありませんでした。
あるブログシステムを利用すると、そのブログ内での交流が主となり、その他のブログとの交流がしづらく、(ブログサービス提供者の思惑通り)囲われていくことになります。
今は「ブログの『SNS』化」という展開で発展していますが、いずれこの成長も頭打ちを迎えることでしょう。それから、どのように発展していくかが気になるところです。
「ブログの『SNS』化」によって、「ブログ疲れ」も
また、『アメブロの耐えられない軽さー男子スイーツ(笑)の台頭ー – 女。京大生の日記。』にあるように、
アメブロはスイーツ(笑)、んで、はてなはアンチスイーツ(笑)という世間を構築してるって言えませんかー?っていう問題提起をしてみました!
というふうに使用しているブログによってある種の”色”に染まってしまい、他の人からある種の先入観でもって判断される、ということにもなるかもしれません。
居心地が良い分には問題ないのですが、『「ペタ返し」や「コメント返し」がマナー』とされ、「アメブロ疲れ」が起きたときにブログを辞めたり、ブログを移転したり、という気苦労を強いられることにもなっていくことでしょう。
ブロガー一人ひとりの「SNS」づくり
ブログの登場と普及、SNSの登場と認知・普及の時期を経て、今は「『SNS』化したブログ」時代を迎えているとも思います。しかし、それは各ブログシステム内に限られたものでもあります。
ブログはもっと自由なものだと思います。自分の書きたい記事・伝えたい記事を投稿し、自分の好きなブログを購読し、コメントやトラックバックなどで交流し、自分なりのブログスフィアを構築していきます。今はまだ、アメブロをはじめとした、各ブログサービス内でそれを体験している時期なのかもしれません。
もっと、ブロガー一人ひとりが興味あるブログを見つけやすくする仕組みが増えても欲しいと思います。その点で「あわせて読みたい」は素晴らしいサービスだと、つくづく感じます。
ブログの深さ、重さ、熱さは人それぞれで、好みも一人ひとり異なります。これからブロガー一人ひとりが、独自の「SNS」=ブログスフィアを作っていくようになっていくのではないでしょうか。
「スイーツ(笑)」とかなんとか気にせず、気に入ったブログを気軽に購読登録し、コメントやトラックバックして、それぞれ楽しんでいければと思います。