『今クールも最終回ウィークその1 (smashmedia)』より
「ラストフレンズ」も最終回。じつにくだらない。このドラマが20%というのがクイズ番組だらけと並んでなんとも今のテレビ界を象徴しているのだけど、こりゃDVDで回収できないんじゃないかな。
このクールの(というか、ここ数年の)TVをまったく観ていないのに「語るな!」と言われてしまいそうですが。
いつの頃から(DVDが一般的に普及してから?)か、ドラマもTV放映→DVD化(数字によっては特番化・映画化も)という流れが当たり前になりました。
しかし、TVドラマを観る視聴者層と、DVDを購入する層とが、まったく異なっているということもはっきりしてきた感があります。
ドラマを観ているのはどんな人たち?
『Audience Rating TV > 視聴率 > 2008年04?06月』より、このクールのドラマの平均視聴率トップ5は以下の通りです。
- ごくせん(土曜21時・NTV) 23.18%
- CHANGE(月曜21時・CX) 21.41%
- ラスト・フレンズ(木曜22時・CX) 17.73%
- Around40(金曜22時・TBS) 14.69%
- ROOKIES(土曜20時・TBS) 14.22%
『ごくせん』は人気シリーズでそれなりの数字。『CHANGE』がメディアの期待が高すぎた(あおりすぎた)感がありながらも、観ている人からは総じて好評。
『ラスト・フレンズ』はsmashmedia河野さんの言葉を借りれば「ケータイ小説的」だそうで、学生を中心とした視聴率が高いのかもしれない。
『Around40』は内容から踏まえても30?40代女性、OL層と主婦層。『ROOKIES』は、原作が好きな人、佐藤隆太をはじめとした俳優陣が好きな方々、若い人が中心な感じ。こちらも観ている人からは内容への評価が高い。
視聴率とDVD販売数の関係性は?
ほぼ視聴者層が一貫していると考えられるNHKのドラマにおいて、以下のようなニュースがありました。
「ちりとてちん」DVD、「おしん」を抜く(サンケイスポーツ)
3月に終了したNHK朝の連続テレビ小説「ちりとてちん」。4日に発売されたDVDボックスが1万7000セットを販売。朝ドラ77作のうちDVD化された13作中、2位の「おしん」(少女編)の9000セットを大幅に上回る新記録を樹立した。放送で関東地区の平均視聴率が15.9%のワースト1だったが、DVDで借りを返した。
視聴率は「ターゲットの広さ」、「話題性」などが大きく関わってきます。大人からこどもまで一般的にウケの良い内容であれば多くの人に観られますし、メディアなどが大きく取り上げれば話のネタに観る人も増えるでしょう。
一方、DVDの販売数には「視聴者の内容への共感」や「作品への思い入れ」が大きく関わります。ターゲットを限定して作品の内容を深くし、視聴者が共感を得られるものにして、熱烈なファンを増やしておくことで、良い想い出として、記念品として、コレクションとしてDVDを購入する人も増えるでしょう。
今クールの作品でDVDがヒットしそうなのは『ROOKIES』ではないかと思います。
テレビドラマのDVDは高い
もう一つネックになるのは、テレビドラマのDVDは高い、ということです。ほとんどの作品が、DVD4枚組-6枚組であり、総額で1万円を軽く超えます。
よほど、作品に対する思い入れが強くない限り、「テレビで見たけど、DVDも購入しよう」という気にはなりにくいのではないでしょうか。
また『ラスト・フレンズ』のメインの視聴者層が学生だとしたら、自由に使える金額も低いため、さらに購入割合は低くなります。
さらに「話題性」だけで観てみた(そしてガッカリした?)視聴者は、作品への思い入れが低いため、購入までには至らないことになります。
『ごくせん』や『CHANGE』は、ジャニーズファン、キムタクファンという強烈な支持層がいるため、ある一定のDVDの売上は見込めるでしょう。
こう考えると、以前にもTV放送時には低視聴率だった『木更津キャッツアイ』のスペシャル、映画を大ヒットさせた経験のあるTBSの『ROOKIES』がロングヒットしそうな感が強いです。
最後に話は変わりますが、NHKで土曜21時から放送している『監査法人』の話題・評価が高いので、これは観ておきたいと思います。