映画『風が強く吹いている』の特別試写会を観てきた

NO IMAGE

風が強く吹いている

10月31日に公開の映画『風が強く吹いている』の特別試写会に参加してきました。AMN/CyberBuzzからの招待です。
三浦しをんの同名小説が原作の映画。ほぼ素人の集まりに近い寛政大学陸上長距離部(に無理矢理入部させられていた)10人が「箱根駅伝」を目指して走る物語。
原作を読んでいて、映画も見ようと思っていた所での鑑賞でしたが、とても楽しく観ることができました。

10人それぞれが「走る」

天才ランナー・蔵原走(カケル)が、清瀬灰二(ハイジ)が管理を一手に担う寛政大学生のアパート「青竹荘」に入居してきた。「青竹荘」に入居しているジョージ/ジョータ兄弟、ユキ、ニコちゃん、キング、ムサ、神童、王子の10人。
一見、寄せ集めに近い10人が青竹荘に集まったことにより、学生駅伝の最高峰「箱根駅伝」(東京箱根間往復大学駅伝競走)を目指すことになる。
しかし、素人集団と思われた10人はそれぞれ陸上経験者や運動部出身だったり、隠れた才能を持ったものばかり。さらに青竹荘への入居条件としてハイジから「毎朝5kmのランニング」が課せられていたため、走ることへの準備もバッチリ。
はじめは「無理だ」と言っていたカケルも可能性を信じ始め、ハイジをはじめとする青竹荘の住人とともに本気で箱根駅伝を目指し始める。
厳しいトレーニングをこなし、ギリギリで予選会を突破し、最初は「夢」だと思われた箱根駅伝への出場が決まる。
そして、たった10人の寛政大学が箱根路に挑む……

ただ「速く走る」のではない。10人が10人「強い走り」をする

冒頭、ハイジがカケルに対して、

「長距離ランナーに取って、最高の褒め言葉って、何だと思う?」

と問いかけるシーンがある。そこでカケルは、

「『速い』じゃないんですか?」

と答えるが、ハイジの答えは、

「オレは『強い』だと思う。」

と答える。
ただ、速く走ることができるランナーが素晴らしいのではない。強い走りを見せるランナーが最高のランナー。
その「強さ」を、箱根駅伝3連覇中の王者・六道大学のエース藤岡一真の走りに重ねるカケル。藤岡の走りを見て焦り、仲間の意識の低さにいらだちを隠せないカケル。
抑えきれない気持ちを爆発させるカケルだが、ハイジの強い気持ち、そして10人それぞれが持つ「強さ」に気づかされ、再び一丸となって箱根路を目指す。
10人それぞれが、一人一人が、自分の持つ「強さ」を持って箱根駅伝を走る。それは自分のためだけでなく、大切な仲間のため、大切な仲間と一緒に作ってきたタスキをつなぐため。そのために走る。
つらくても、苦しくても、毎日走り込んできた。自分より速いランナーがいても、挫折を味わっても、仲間と一緒に走り込んできた。どんなトラブルが起ころうとも、最後までタスキをつなごうと走り続けた。
10人の走る姿は本当にきれいで、本当に美しいものでした。
原作を読んで鑑賞しましたが、特に原作のイメージが崩れることもなく、楽しむことができました。むしろ、走るシーンがとても爽快で、きれいな映画でした。
もちろん原作を読んでない人でも、小出恵介さん、林遣都さんを始め、カッコ良く走るキャスト陣の姿を映画のストーリーとともに楽しむことができます。
原作を読まれた方は気楽に楽しめますし、原作を読まれてない方は映画を見てから、映画では省かれていた細かい設定や小ネタを原作で楽しむこともできます。
来年、2010年の1月2日・3日に開催される第86回箱根駅伝の予選会は10月17日に行われ、本大会に出場する11校が決まりました。シード9校に加えた20校が箱根駅伝を走ります。
次回は寛政大学のような学校は出場しないようですが、出場する20校のすべてのランナーが、それぞれ強い気持ちを持って走ります。
美しくも強い走りを映画で楽しみ、箱根駅伝を楽しんでもらえればと思います。

» 箱根駅伝公式Webサイト

イベントカテゴリの最新記事