Re: 「若者がモノを買わない理由」?

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良いものを安く
若者がモノを買わない理由–インターネット依存、低い上昇志向・・・:マーケティング – CNET Japan』を読んで。
PDFファイル(無料版)も読んで、1995年に比べて2005年では34歳以下単身世帯の1世帯・1ヶ月あたりの消費支出が2万円下がっていて、「なぜ、若い人がモノを買わないのか?」という話になっています。

10年前と今とで「若者」の意識は変わっているの?

そして2008年の7月16日から21日に行われたインターネットリサーチの結果から、以下のような結論が導き出されたと書かれています。

レポートによれば、若者がモノを買わない要因として「将来に対する不安」、「低い上昇志向」、「固定化された人間関係」、「漠然とした結婚意識」、「インターネットへの依存」の5つがあるという。

インターネットユーザー対象のアンケートなので「インターネットへの依存」度合いが高いのはわかりますが、それ以外の理由についてはあまり変化がないのではないかな、という印象を受けました。
無料版のレポートしか読んでないのですが、「将来に対する不安」や独身の若者における「漠然とした結婚意識」というのは昔から変わらず一定の割合でいるのではないかと思います。
これらの理由を購買意欲の低下の理由とするのは何か違う気がしました。

「買わない」のではなく、「良いものを安く買う」ようになったのではないか?

10年前と比べて消費支出が2万円も下がった理由として、携帯電話やインターネットの普及に伴う通信費負担の増加や、データはありませんが収入額の低下もあるかもしれません。
一方で、支出額が低下した理由として「良いものが安く手に入るようになったから」という理由もあるのではないかと思います。
テレビやパソコン、携帯電話(は高くなったけど……)などの電化製品の性能は良くなる一方で、価格の低下速度も速くなり、広告露出を抑える分価格を安くするメーカーも増えてきています。
一昔前は高価だった液晶テレビも、「bydesign」の22型液晶テレビで49800円という価格になっており、パソコンもインターネットやメールだけなら「Eee PC」などの5万円代のミニノートパソコンで事足りるようになりました。
ファッションも、「ユニクロ」が安くて良いカジュアルファッションのベースとしてあたりまえになり、インテリアも「IKEA」などがどんどん進出しています。
コンビニエンスストアも「100円コンビニ」があちこちに増え、大手デパートも「プライベートブランド」商品の開発に取り組んでおり、日用品や雑貨、お菓子なども安く手に入るようになっています。
また、ネットショッピングの普及により、「価格.com」などでの商品の価格比較が容易になり、「欲しい商品を安く」買う仕組みも出来上がっています。
どんなに上昇志向が低くても、人間関係が狭くても、少なからず「良いものが欲しい」という欲求は存在します。
その「良いものを安く」という消費者の声に応えつづけてきたメーカーや販売店の結果が、消費支出の低下ということにつながっているのではないかな、と思いました。

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