所詮、SEO は「外部リンク」を集めるが勝ち

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数ヶ月前、ある懇親会で知り合いのWeb担当者と話していた時のこと。
その担当者が「最近、SEO 対策を見直して、ようやくターゲットキーワードで 1位になりましたよ」という話をしてきた。
それまでも基本的な SEO は十分に行われていたので、「どのような点を見直したのか?」と尋ねてみたが、詳しくは教えてくれなかった。
仕方なく、自宅に戻ってから一通り確認する事にした所、「外部リンク」の数が大きく増えていた。

外部リンク数が大幅に増えた理由

増えていた「外部リンク」元を調べてみると、ウェブサイトの内容とはほぼ無関係のサイトからのリンクが増えていた。
リンクしているサイトにアクセスすると、外部リンク数が増えた理由がわかった。
その担当者は「有料リンク」を購入し、外部リンク数を増やしていたのだった。

検索エンジン側が「外部リンク」が重要な要素の一つと語る

Yahoo! や Google などの検索エンジンにおける検索順位を上昇させるための要素は数多くありますが、その中の一つとして「外部リンク」が上げられている。
検索結果でウェブページの表示順序を上げるには – インフォセンター – Yahoo!検索』より

関連するウェブページとのリンク
関連サイトの管理者やコンテンツ提供者を通じて、関連するウェブページとのリンク数を増やします。

Google と相性の良いサイトを作成するにはどうすればよいですか。 – ウェブマスター/サイト所有者 ヘルプ』より

他のサイトからリンクが貼られるようにする
他のサイトからリンクが貼られていると、クローラがサイトを見つけやすくなり、Google の検索結果で表示される可能性が高くなります。(中略)PageRank 評価の一環として、ページ A からページ B へのリンクをページ A からページ B への票として解釈し、1 つのページが獲得した票数を計算します。「重要度」の高いページによって投じられた票はより高く評価され、それを受け取ったページを重要なサイトとして判断します。

SEO に関する情報が広く認知され、title 要素へのキーワード記述、HTML 記述の最適化、ウェブサイト構造の最適化など、ウェブサイト内部の施策に関して十分に行われるようになった今、競合サイトより優位に立つには外部要因、つまり「外部リンク」で差をつけなければならなくなっている。

今は検索エンジンと「有料リンク」がいたちごっこの真っ最中

検索順位を上げる要因の一つが「外部リンク数を増やすこと」とあるとはいえ、検索エンジン側はどんなリンクでも OK にしているわけではない。
検索結果でウェブページの表示順序を上げるには – インフォセンター – Yahoo!検索』より

ただし、リンク数を増やす目的で関連性のないウェブページとのリンクを増やす行為は「検索エンジンスパム」とみなされるため、表示順序が上がることはありません。

Google と相性の良いサイトを作成するにはどうすればよいですか。 – ウェブマスター/サイト所有者 ヘルプ』より

Google のアルゴリズムでは、自然リンクと人工リンクが区別されます。(中略)

サイトのインデックス登録やランキングで有効なのは、自然リンクのみです。

また、Google は「有料リンク」について、明確に否定している。
参考)Google、「有料リンク(Paid Links)がなぜいけないか」を明確に説明:渡辺隆広のサーチエンジン情報館 – CNET Japan
「有料リンク」とは、SEO業者が運営するウェブサイトやウェブサービスからテキストリンクを設定する、などというもの。
「100サイトからリンク」とか「10,000ページからリンク」などといううたい文句で展開されている事が多い。
その中身もさまざまで、中身のまったくないスパムサイトからのリンクとか、1×1の GIF 画像からのリンクとか、1つのウェブサイト内の 10,000 ページからのリンクとか、などを行っている所もある。
仮に 1000サイト、10,000ページからのリンク提供を得て、一時的に検索順位が上がったとしても、検索エンジンから「有料リンク」と見なされれば、まったく無効にされる事もある。
しかし、実際の所「有料リンク」が効果を発揮している事例は数多くある。
特に顧客獲得に結びつきやすい医療系、美容系、保険系、金融系のキーワードで上位表示されるウェブサイトにおいて、ちらほらと有料リンクを購入しているような事例を見つけやすい。
各検索エンジンは、外部リンクによる検索順位を操作している所に対し、逐一対応しているようだが、現状はいたちごっこであり、「外部リンクの購入による検索順位の上昇」というのが効果を発揮してしまっているようだ。
ちなみに、上記の「有料リンクを購入した」ウェブサイトは、現在 Google でターゲットとしているキーワードで調べても上位30位以内(3ページ目まで)に表示されなくなっている。
Yahoo! 検索ではかろうじて1ページ目には表示されているが、今後圏外に飛ばされる可能性もあるだろう。

同じお金を使って自然な形で外部リンクを得るには

今後、検索エンジンの精度が上がってくれば、「有料リンク」による検索順位の操作というのはできなくなっていくだろう。
しかし、現状で有料リンクによる効果があり、短期的に検索順位を上昇させたいというクライアントがいて、需要があるかぎり、有料リンクの販売はしばらく行われていくだろう。
ただ、長期的な展開を考えれば、やはり有料リンクの購入はおすすめできない。
むしろ、同じようにお金を使うのであれば、ウェブ上で話題を作り、自然な形でリンクが増える企画を行う事もできる。
ウェブ上で話題になれば、ブログなどからのリンク数が増えるだけでなく、ウェブサイト自体の認知度も向上する。さらにニュースサイトや TV などのより大きなメディアに届き、より広く認知される事も期待できる。
ニュースサイトやはてなブックマークの注目のエントリーなどをチェックしていれば、ウェブ上で流行しているネタ探しには事欠かない。
そのネタなどを参考にして、自社で展開できる、ウェブに適した企画を実施すれば良いだろう。
今の SEO において外部リンクは重要な要素の一つとなっている。
しかし、SEO 自体、マーケティング手法の一つに過ぎない。
より高い地点から考え、展開していく事で、おのずと SEO としても良い効果を得るようにしたい。

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