短い睡眠時間でも熟睡でき、疲れがとれるようになる睡眠の方法を紹介している本。
睡眠のメカニズム、正しい眠り方、短眠を習慣化させるための起き方、さらに心地よくぐっすり眠るための方法まで書かれています。
単に睡眠時間を短くするということではなく、睡眠の仕組みについて理解し、睡眠の質を高めて疲労やストレスを取る重要性が書かれており、特に「どうしても眠れない夜の対処法」がとても勉強になりました。
快眠のポイントは「正しく眠り、毎日決まった時間に起きる」
本の中で眠りの質を高め、疲れが取れやすくなる快眠を身につけるために、以下のポイントが書かれています。
- 正しい「入眠」を身につける
- 起床時間を厳守する
- 仮眠を積極的に取り入れる
- 不眠やどうしても眠れない時は
正しい「入眠」の習慣を身につけるためのポイント
まず、正しい「入眠」の方法を身につけることが快眠の基本。快眠するための正しい習慣として、
- 人間は体温が低下してくると眠くなり、上がってくると目が覚める。眠る時は手足を温めてあげるとそこから放熱が行われ、体温が下がって眠りにつきやすい。
- コーヒーやお茶、チョコレートなど、カフェインを含むものは、眠る6時間くらい前から摂らないようにする。
- 食事を摂ると、4時間くらいは胃腸の動きが活発になり体温が上がる。食事は眠る4時間前までには済ませる。
- お酒は3時間前までにする。お酒は睡眠を促すメラトニンの分泌を抑制してしまうため適量を超える飲酒はしない。また、寝酒の習慣は睡眠の質を低下させる。
- 適度に体温を上げるには、眠る2時間くらい前に、ウォーキングやストレッチ、簡単な体操など、軽めの運動をするのがよい。眠る前の腕立て伏せなどの激しい運動は著しく体温を上げてしまうので避ける。
- 入浴は血行を良くし、リラックスすることができる。眠る2時間くらい前に入るようにする。ぬるめのお風呂に10 – 20分ほど浸かるようにし、徐々に体温を上げて行くとより効果的。
- たばこは脳への血流を減らして酸素不足になり、不眠を招くので、夜は控えるようにする。
仮に25時に眠る場合、食事は21時までに済ませ、お酒は22時までになります。
起床時間を厳守する
快眠を身につけるためのポイントとして、正しい入眠を身に付けることとあわせて、「起床時間を厳守する」ことが大事であると書かれています。
起床時間を厳守する理由として、以下のように書かれています。
- 起きる時間を厳守することで、覚醒と睡眠のリズムがはっきりしてくる。
- 決まった時間に起き、光を浴びることで、体内時計を整え、睡眠の質を高める。
- 前の晩の就寝時間が遅くなり、睡眠不足になったとしても、夜になれば自然と眠くなるため、不眠にも有効。
また、起床後の目覚めを良くするために、以下のことを行うと良いと書かれています。
- 起床したらすぐにカーテンを開け、顔に朝日が当たるようにして光を浴びる。朝日を浴びることで覚醒を促すセロトニンが増えて目が覚める。
- 朝日を浴びながら簡単なストレッチやラジオ体操などで身体をほぐすことで体温が上がり、脳への血流量も増え目が覚める。ウォーキングや自転車などの軽めの運動も効果的。
- 朝食は脳へエネルギーを送るためできるだけ摂る。
起きる時間を決め、起きたらカーテンを開けて朝日を浴び、軽く身体を動かして目覚めさせる。この習慣を身につけることが重要です。
特に「二度寝は厳禁」とのことです。
仮眠を取り入れる
快眠をムリなく身につけるためのカギとして、お昼休みの10分、15分の居眠りやうたた寝など「仮眠」を積極的に取り入れると良いと書かれています。
仮眠には心臓などの身体の疲労を減らす効果があることに加え、記憶を固定させる効果があるそうです。お昼休みに仮眠をとることで、午前中の疲れを取り、さらに午前中に取り入れた仕事に必要な情報を整理して活用できるということになります。
また、居眠りやうたた寝がしにくい職場では、「目をつぶる」だけでも効果があるとのことです。
なお、仮眠は30分まで。
「目をつぶる」だけでも浅い睡眠と同じ効果がある
仕事の疲れやストレスなどで「夜、どうしても眠れない」という人もいるかと思います。私も仕事のストレスがピークの時はほどんど眠れなかったことが何度もありました。
眠れない時の対処法として、「目をつぶればいい」と紹介されています。
手っ取り早く脳を休ませるには、「仮眠同様、目をつぶればいい」のです。これは目を開けている時の脳波は早い周波数のベータ波ですが、目をつぶるとゆっくりとした周波数のアルファー波になるからです。
実はこのアルファー波は、浅い睡眠の時に出る周波数と同じなのです。
眠れない夜の対策としては、ベッドで横になり、朝までこのままの状態でもいい、といったように、気楽な感じで目をつぶっているだけでかまいません。
意識があったとしても、脳が部分的に眠っていることを意味し、第一段階のノンレム睡眠になっているのです。
実際、不眠の人の脳波を調べても、浅い眠りとはいうものの、たいていの場合、6時間くらいは眠っています。
(眠れないのは)たいていの場合、生活上のストレスか、精神的な悩みが原因になっています。
このような時は、無理に眠ろうと思わなくてもいいのです。
眠ろうと努力すると、よけいに脳を興奮させてしまうことになりますので、逆効果になってしまいます。
たとえ翌日が睡眠不足になったとしても、起床時間さえ厳守すれば、その日の夜は自然と眠れるものです。
このことを知ってからは、眠れない夜でも、ただベッドで横になって目をつぶり、「このまま朝になってもいいや」と思うようにしました。すると、いつの間にか眠って、疲れも取れるようになり、かなりの効果を実感しています。
私だけでなく、眠りが浅いと悩んでいる友人にも教えた所、「気持ちが楽になっていつもより眠れた」との返事をもらいました。
さらに、脳を疲れさせにくくする方法として、以下のようにも書かれていました。
精神的に安定させるよう心がけるだけでも、脳は休まります。
また、よろこびの気持ちは、脳内に覚醒させる物質であるドーパミンを増やしますので、脳を疲れさせないことにつながります。よく笑う人ほど脳が疲れず、短眠のたいしつになりやすい、といえるほどです。
不安やストレスなどでどうしても眠れなかった時、YouTubeでお笑いの動画を見て、笑ってから横になることで、眠れるようになりました。今までもお笑いは好きでしたが、さらに楽しいこと、笑えることを考えるようになっています。
本の中では、この他にもさらに睡眠の質を高めるためのアイテムやエクササイズが紹介されています。中でも「呼吸法」は眠る前に心を落ち着かせ、リラックスすることができています。
「4時間睡眠」という短眠を身につけたい人はもちろん、寝ることが大好きな人にもさらに気持ち良い睡眠が身につけられます。
今夜からぐっすりと眠り、気持ちよく起きたい方、ぜひ今夜からやってみてください。