いよいよ「2010 FIFA ワールドカップ 南アフリカ大会」が開幕し、日本は14日にカメルーン線、19日にオランダ戦、24日にデンマークとグループリーグ予選を戦います。
厳しい戦いとなりますが、日本のサッカーを魅せて、ぜひグループリーグを突破してもらいたいです。
サッカーを観戦するにあたり、単にボールを追いかけるだけでなく、もっと深く観戦できるようになりたいと思っていた所に、スポーツライターの木崎伸也さんの『サッカーの見方は1日で変えられる』という本を購入しました。
初心者でもわかりやすい観戦のポイントから、選手一人一人の能力まで詳しく見極められるようになるためのポイントまで、解説されています。
まずは「ボールが縦方向に進んでいるか」どうかをチェック
この本の帯には、
ボールを追うのは・・・三流。
フォーメーションを論じるのは・・・二流。
では本当のプロはどこを見ているか?
という何とも挑発的なコピーが書かれています。
確かにボールだけを追っていては全体の動きがわかりません。また、「4-4-2」とか「4-2-3-1」とか「4-1-4-1」と数字で離されても、選手達はひたすら動き回っているため、テレビで見るとその通りには見えないことがよくあります。
とはいえ、サッカーをプレーしたことがない、初心者は何をどう見たらよいかわかりません。そこで、著者がまずおすすめしているのは、『ボールが縦方向に進んでいるか』ということをチェックするというものです。
サッカーにおいて、基本的にパスの選択肢は3つしかない。「1 前に出すパス」「2 横に出すパス」(横パス)「3 後ろに出すパス」(バックパス)の3種類だ。
この中で一番大切なのは、言うまでもなく「1 前へのパス」だ。
横パスやバックパスが多いと、相手が守備を整えやすくなり点が入りにくくなる。前にパスを出し、1秒でも速く相手ゴールに近づくことができれば得点のチャンスが増えるというもの。
また、以下のようにも書かれています。
サッカー界では「10秒あれば、相手ゴールに行ける」と言われている。ピッチの縦幅は約105m。パススピードが速ければ、十分、10秒で端から端まで到達できる。
日本代表がボールを奪って、10秒以内に相手ゴールに迫ることができたら、得点の期待が大きくなります。
日本代表の試合で、選手たちが中盤でもたもたと横パスばかりつないでいたら・・・得点の可能性はガクンと落ちると覚えておこう。
日本代表の試合で目にすることがあるこの光景が、本番の舞台では見ることがないように期待したいです。
攻守の基本をチェックする4つのポイント
まず『ボールが縦方向に(前に)進んでいるか』という所に注目して、その他はどこを見れば良いか。そのポイントは以下の4つです。
攻撃のとき
- ボール保持者のまわりで、アクションを起こしている選手がいるか?
- クロスに対して、相手ゴール前に飛び込む選手が何人入るか?
守備のとき
- DFからFWまでをコンパクトに保てているか?
- ゴール前中央を空けていないか?
まず、攻撃のとき『ボール保持者のまわりで、アクションを起こしている選手がいるか?』
サッカーの試合では1人の選手がドリブルで持っていくより、味方の選手とパスをつないで相手ゴールに迫り、シュートを打って点を取っていきます。
ボールを持っている人の周りでパスを受ける人がいないと、ボールが前に進まず、点を取るチャンスが少なくなります。試合後半で疲れがたまり、パスを受ける動きができない状態を「足が止まる」とよく言われます。
ボールを持っている選手の周りで、味方選手がより相手ゴールに近い方に走りったりして、パスを受けられるよう動いているかを観てみましょう。
次に、『クロスに対して、相手ゴール前に飛び込む選手が何人入るか?』
サッカーで点を取るには、相手ゴールの近くでシュートを打つ方が点が入りやすいでしょう。基本的な攻め方としてクロス(サイドからゴール前へのパス)を上げて、味方の選手がヘディングなどでシュートして決める、というものがあります。
このクロスに対して、シュートを決めにいく選手が多ければ多いほど得点のチャンスが高くなります。
日本代表であれば長友選手や駒野選手、中村俊輔選手が上げるクロスに対し、本田選手、大久保選手、岡崎選手などが多く飛び込んで行けば得点が期待できます。このような機会を多く目にして点を取って欲しいですね。
守備で見るポイントは、まず『DFからFWまでをコンパクトに保てているか?』
サッカーは縦105m × 横68m というとても広いフィールドを11人で守らなければなりません。フィールド全体に散らばっていては、相手選手に走り回られシュートを決められやすくなってしまいます。
相手選手のボールの位置関係から、DFからFWまでの守りやすい距離間隔を保ち、相手に攻めにくくさせるようにします。
守備体型をコンパクトに保つことで、以下のようなメリットが得られます。
- 多人数でボールを取りに行ける
- 相手のパスコースを限定できる
- こぼれ球を拾いやすい
適切な距離間隔はフィールドの約3分の1くらい(約40m)と言われています。
試合後半で疲れが溜まってくると、全体の距離間隔、選手間の距離間隔が広がりやすくなりますので、試合終了までコンパクトに保って、相手にできる限り攻めさせないようにしたいものです。
もう1つ、『ゴール前中央を空けていないか?』
自分たちがゴール前が得点しやすいのと同じように、自分たちのゴール前中央を空けてしまうと、失点してしまう危険性が高くなります。
日本代表であれば中澤選手、トゥーリオ選手、阿部選手にゴール前中央をガッチリ守ってもらい、ぜひとも無失点で終わって欲しいものです。
本の中ではさらに深い見方ができるようになるポイントや、どのような選手が良い選手かということをポジション別にわかりやすく解説されています。
この本を片手にワールドカップを観戦すれば、以下に世界のトッププレイヤーが凄いかということがより理解できるようになります。
まもなく、日本代表の試合が始まります。
まず『ボールが前に進んでいるか』
攻撃の時にボールの周りでアクションを起こす選手が多く、クロスに対して多くの選手が飛び込んで行くか。
守備の時にはDFからFWまでをコンパクトに保ち、ゴール前中央をガッチリ固めているか。
この5つのポイントをチェックしながら、日本代表の得点と勝利、そして熱い試合を期待しましょう!