“クドカン”こと宮藤官九郎監督の映画『中学生円山』を観てきました。
クドカンは、現在NHK朝の連続ドラマで放送中の『あまちゃん』の脚本も書いており、この『中学生円山』も予告編を観た時から、「これはおもしろいはずだ!」と直感で分かりました。
その直感の通りの作品でした。
これもまた本当の中2だ
「中学生円山」は都内の団地に暮らす、いつもエッチなことを考えている中学2年生・円山克也が主人公。克也は毎日、あるエッチな目的を達成するために自主トレに励んでいる。
ごく普通で、果物と夜エッチな映像を観ることが楽しみな父親、地味で韓流ドラマにハマっている母親、無神経だけど初恋に悩む妹と暮らしている。
ある日、上の階に謎のシングルファーザーが引っ越してきたことから、克也の日常は大きく変わり出す……
クドカンがNHKの朝の情報番組『あさイチ』に出演した際、この『中学生円山』を書いた経緯について、次のように語っていました。
ぼくの書くものはいつも「中学生っぽい」と言われていた。
だから今回、中学生が考えることを書いてみて、自分でもわかった。
まさにクドカンの中の「中学生」が全開に表現された作品となっていたのです。
以前、人気ブログ「小鳥ピヨピヨ」のいちるさんが Amazon Kindle ストアでリリースされた『我が名は魔性』が、「すごく中二病だ!」と話題になりましたが、この『中学生円山』も、クドカンの中二な作品なのです。
女性が観ると「やっぱり中学生の時の男子って、こういうことばっかり考えてたんだ」と思うでしょうし、男が観ると「あー、こういうこと考えてたこともあったなぁ…(恥ずかしい)」と感じる人もいるでしょう。
それだけ、誰しもに共通し、男女問わず経験してきた中学時代を思い返しつつも、何も考えずに爆笑し、そして、感情豊かな時代を思い返すことができる作品になっています。
私も地味で目立たなかったけど、似たような(今、思い返すと、イタいことやっちゃっててたなぁ…)中学時代だったなぁ、と思い出しながら観ていました。
作品自体は「バカ」ですが、出演しているすべての役者に味があり、それぞれのサブストーリーも濃くて見逃せません。
特に音楽で、期待していなかった以上の興奮が得られます。観て驚いちゃう人も多いかもしれません。
五月病も終わって、祝日もなく、溜まっていく毎日の疲れを吹き飛ばしてくれる作品です。
ぜひ何も考えず、自分の中学時代を思い返しながら、楽しんでください。