「はてなブックマーク」の「注目のエントリー」に入ることによって、多くのトラフィックが得られるようになるということの認知度も高まってきました。
海外でもDiggSpamが横行し、その度に対策がとられていますが、日本でもSNS、SBM(ソーシャルブックマーク)、ソーシャルニュースサイトの普及にともない、スパムの数も増えています。
はてなブックマークは、ユーザーによって維持する仕組みができている
ウェブの世界は緩やかに、情報商材とかスパムとかに汚染されているような気がします。
『アフィリエイトは儲かんないってば:はてなブックマークは乗っ取られないの?』より
ノイズ、スパムを発生させる者は、運営側のスキ、利用規約のスキマを突いてきます。運営側としてはできる限り多くのユーザーに公平に利用してもらいたいという考えもあり、あまり規制を厳しくすることもできないのだと思います。
その間にもスパマーの行動はどんどん進行し、対策がとられる前に占拠され、無法地帯状態となり、荒廃化していくところも出てきているのだと思います。
その点で、はてなブックマークはユーザーに管理してもらう仕組みが上手く機能しております。
はてなブックマークは、日本で最大手なソーシャルブックマークですが、ただユーザーが多いというだけではなく、使用ユーザー層のネットリテラシーがかなり高いのが特徴。スパムや情報商材系サイトと思わしきブックマークは、あっという間に誰かが発見してスパムタグがつけられたり、利用規約違反を通知、といった流れになって、排除されることとなります。
はてなブックマークでは、ブックマークする際に登録するウェブページの「タイトル」と「カテゴリ」、「コメント」が登録できますが、「タイトル」と「カテゴリ」はすべてのユーザーに共用するものです。
わかりやすいタイトルが設定されていないページを登録する際に、タイトルを設定するという普通の使い方のほかに、スパムサイトが登録された際に「spam」と編集する使い方もできます。
また「利用規約違反を通知する」という通報機能も提供されており、ユーザーから運営者への情報提供を行い、運営者のスパム対策における作業効率を上げる仕組みになっています。
運営側による秩序を維持するための仕組みづくり
もちろん「はてな」が何の対策もしていないことはなく、システム改善によってスパム対策が行われています。
特に、Aさんに了承もらってるので… あったことをありのまま話すよ – heartbreaking.の方は一時期ホッテントリ入りしてたぐらいなので、明らかにはてな側が人為的にフィルタをかけている。本来ならば、今このエントリーを書いている時点でもホッテントリーに入ってるはずなんだよね。アルコリズムの詳しいところはわからんけど、毎日はてなブックマーク見てれば明らかにおかしい。確実に人為的なフィルタ。
『性的なコンテンツをはてなは人為的にフィルタかけてる – シリコンバレーに潜む男』より
というブログ記事を受けて、
アダルトのエントリだから落とすというのはあまり合理的ではない気がします。大企業ならともかく、UGCコンテンツでのビジネスをメインとする、ITベンチャーのはてなが、このレベルのエロをいちいち人力でフィルタリングする理由があまり見あたらないんですよね。
じゃあ何かというと、これは単なるはてなのスパムフィルタにひっかかっているだけじゃないかな?
というのも、最近のはてなだと、同じIP(他の情報も見てるかも)から3つ以上急激にブックマークすると、注目エントリーに入らないっぽいんですよね。
『ロケスタ社長日記:はてなは人為的なフィルタはあまりかけていない気がする』より
という記事が書かれています。
けんすうさんの検証記事から、『短期間に、同じIP(+他のユーザー情報も?)から、(注目のエントリーにリスト入りする基準となる)3つ以上ブックマークされた場合、スパムとみなす』という設定があるようです。
この他にもスパム判定基準はあると思いますが、
「はてブで3つアカウント使って、登録すれば『注目のエントリー』に入って、
アクセスが増えるぜ。へっへっへ。(-ー- )』
というもくろみは、はてブのシステムによってあっさりはじかれてしまうことになります。
また、スパマーが3人くらい組んで
「オレたち3人の(スパム)サイトを、はてなブックマークで目立たせようぜ!(`∀´)」
と仕組んでも、今度は他のユーザーによる編集、通報によって、削除されることになります。
結論としては、へじほぐさんと同じになってしまうのですが、CGMの秩序を維持するためには運営者とユーザーの双方からの働きかけが必要だと思います。
運営側は多くのユーザーに利用してもらえるシステムを提供しつつ、秩序を保つための利用規約の制定、スパム対策のアルゴリズムの設定、通報通知システムなどの提供を行います。
ユーザーもサービスを十分に活用しながら、利用規約に反するユーザー・情報の削除をシステムを使って行います。
このどちらかが不足していては、スパマーの餌食になってしまうことが十分に考えられます。スパマーとの戦いは「いたちごっこ」とよく言われますが、コンテンツの品質を保ち、サイトの秩序を保つためには、一人ひとりの行動の積み重ねが大切です。
提供していただいている良いサービスを、私たちが長く使用し続けるためにも、できる限りの行動をとっていきたいものです。