お金を上手く使えば「生き金」となり、下手に使えば「死に金」となる。
経営者からヤクザ、ホストまで、
裏にも表にも通じた著者ならではの リアルな金銭術!
という「オトナなお金の使い方、活かし方」について書かれています。
人はお金で動く
著者は「はじめに」でズバッと書いている。
人は金で動くか。
動く。
是非を超えて、これは事実である。
だからキリストは、
「人はパンのみに生きるにあらず」
と諌めた。
釈迦は
「少欲知足」
と諭した。(中略)
すなわち東西の叡智は「人間金で動く」ということを逆説的に諌め、諭したわけで、ウラ読みすれば、「お宅ら、人を意のままに動かしたいんやったら、何をおいてもゼニでっせ」ということになる。
だから、お金で人は動かせる。
生活する上で、お金は欠かせないものであり、今では賢いお金の稼ぎ方、使い方というのがブームになりつつあります。
この本では、さらにその一歩先の「生き金として、人を動かす」方法を説いています。
「期待」や「イメージ」のコントロールしてお金を使う
「お金を使って、人を動かす」といっても、目の前に札束を積んで動かす、ということではありません。
例えば、上司が部下に飲み代として1万円を出す時に、
「これで酒でも飲んでくれ」
と言って渡しても、部下は「1万円じゃ飲み代にもならねーよ」と思い、「あの上司はケチだ」というイメージを持ってしまいます。これでは、せっかく渡したお金が「死に金」になってしまったことになります。
しかし、
「これでお茶でも飲んでくれ」
といって渡すと、「お茶代で1万円だと余るよな!?」と思い、「太っ腹な上司だ」というイメージを持ちます。このように「お茶代」として渡したことにより「生き金」となりました。
このように、シーンにあわせお金を使い方をすることで、「生き金」にも「死に金」にもなり、その結果「お金を使って人を動かす」ことにつながります。
つまり、相手の「期待」をコントロールしてお金を使い、相手の期待を超えることで「生き金」として使うことができるのです。
他にも、
- ホストは客にボトルを入れさせる時、自分では頼まずヘルプを使うことで、客が「私の手で No.1 にしたい」という気持ちにさせる。
- 残り少なくなったボトル、普通のホステスがドバッと入れて新しいボトルを入れさせようとする画、売れっ子ホステスは「ムリしないで」と言いながら「今度来た時に新しいのを入れてくれればいいから」と次の来店につなげる。
- チップはあまり利用できない旅館などでは先付け、頻繁に利用する料理屋などでは後付けにすることで印象を強くできる。
- 上司が部下にごちそうする時、「並」ではなく「特上」を奮発することで部下の印象を良くできる。
- 頼まれごとをした時に、いつも即請け合いするのではなく、少し間を置くことで自分の価値を高めることができる。
- ビジネスマンはカバン、名刺入れ、筆記用具などの小物にお金を使い、仕事ができるイメージを与える。
などの事例が紹介されています。
とはいえ実際に使うのは難しい
このようにいろんな「お金の使い方」が指南されていますが、実際にやろうとすると難しいものも多くあります。アウトローの方々のやり方なんて、お目にかかることもないでしょうし。
なので、事例の中でも
- 部下におごるときはしっかりと理由をつける
- 接待のときは、最初は理由を付けて安めのお店に、勝負の時に奮発する
- 小物にお金をかけて、仕事ができるように魅せる
といった、やりやすいところからやっていくと良いでしょう。
他にも、最初の1万円の渡し方のように「お酒代」と言うか「お茶代」と言うか、たった一言で大きくイメージを変えられる事例も参考になります。
たった一言で「お金の活かし方」が変わり、「お金を使って人を動かせる」ようになれるのであれば、知っておいて損はないでしょう。