2010年1月9日にベルサール神田で開催された「CSS Nite LP, Disk 8『Google Analyticsを使ったWebアクセスログ解析とサイトへの反映』」に参加してきました。
普段の業務(ネットショップ構築・運営)において活用している「Google Analytics によるアクセス解析」がテーマということで、非常に実用的な内容が多いセミナーでした。
セッションで気づいた点メモ
5つのセッションを通じて、私個人が気づいたポイントをピックアップします。
- 「コンバージョン」で「サイトの滞在時間」を設定できる
- 「離脱率」は単独の数値にとらわれず、サイト全体の平均値で比較する
- 「アドバンス セグメント」と「カスタム レポート」の使い込みが必要
- 新機能「アノテーション」(レポートへのメモ書き)は使える!
- 細かい数字にとらわれず、シナリオ分析で大きく分析する
- キーワードの分類「ブランド指名」「潜在顧客」「調べもの」は重要
- PDCAの積み重ね
- 「ゴールデンルート」を見つけよう
- アクセス数は多いのに、成約率が低いキーワードを改善
- 成約率は高いのにアクセス数が少ないキーワードも改善
- 「お店の店員にウェブサイトが近づいていく」
- ウェブ制作者も上流工程から携わる
- キーワードの月間検索回数×訪問率(1 – 20%)×転換率(約3%)×客単価=月間売上予測
- クライアントの費用対効果を意識した提案
ネットショップ運営では、ウェブサイトからの注文=売上とわかりやすく、売上目標という明確なゴールがあります。そのゴールに向けたウェブサイトの制作、アクセス解析、そして改善という作業サイクルができています。
「売上アップ」という共通のゴールがありますが、そのゴールへの到達ルートは店舗によって様々です。露出を増やして来客数を増やす方法、ページを改善して顧客獲得率を上げる方法、そもそもの商品力や価格設定を見直す方法、など多岐にわたります。
どこを確認して、どこを改善すれば良いか。その仮説設定、検証というのは日々の作業の積み重ねであり、「アクセス解析」というのはその「確認」作業で非常に有効なツールとなります。
「アクセス解析」は「PDCA」の「C」
「アクセス解析」は収集されたデータをただ眺めているだけではサイトの改善、ひいてはウェブサイトからの売上アップにはつながりません。
アクセス解析を活かすためには「PDCA」サイクルをしっかり回す必要があります。
PDCAサイクルとは、
- P – Plan(計画)
- D – Do(実行)
- C – Check(確認)
- A – Action(改善)
の4つの単語の頭文字を取ったマネジメントサイクルのことです。計画を立てて実行し、成果を確認して、改善につなげ、次の計画につなげます。
「確認」作業の一つとなる「アクセス解析」を行うためには、明確な「計画」と「実行」がまず必要となります。計画を実行した成果を「アクセス解析」などで確認し、改善につなげることで、ようやく活用されます。
ネットショップ運営には「売上」というわかりやすい数値目標があるため、この PDCA サイクルにも取り組みやすいのですが、数値目標が立てづらいウェブサイトというのもあると思います。
その時は資料請求や会員獲得など、クライアントの事業につながるゴールを含めたウェブサイト構築の提案や、サイトの滞在時間によるコンバージョン測定などを行っていくと良いかもしれません。
経営者視点を持ったウェブ制作
私が最も印象に残ったのは以下のツイート。
Twitter / Takamorry Nishikawa: 今の時代、B/S、P/L、C/Fの決算書類、それにGAが読めないと経営者は務まらん、と思う(私の意見) #cssnitelp8
隣で一緒に受講していた 本質思考道場 の西川さんの意見です。「スピーカーの言葉じゃないの!?」という言葉も聞こえてきそうですが、スピーカーの皆様の話を聞きながら、特に的を得た意見だと思いました。
経営者の皆様や、普段から経営者視点を持って取り組まれている方にとっては「何を今さら?」という感じかもしれません。しかし、まだまだ多くの人がこの点を意識することなくウェブ制作を行っているのかな、という空気も感じました。
ウェブサイトを制作して運用することはお遊びではないということは、みんなよくわかっているつもりです。しかし、もっと深く考えなければならないのは「そのウェブサイトを構築することによる費用対効果はどれくらいか」ということ。
ひらたくいえば「いくら儲かるの?」ということです。
この数字を出すために事業計画を立て、市場を調査し、その売上を実現させるために必要ものを提案する。いわば、ウェブ制作側もクライアントの経営に深く携わっているという意識をもって取り組むことが必要となります。
しかも「アクセス解析」はその実績が「数字」というわかりやすい形となって現れるため、逃げることができません。その分、改善した結果が「数字」になって現れた時の喜びをクライアントと共有できるという大きなメリットもあります。
「アクセス解析」は担当者一人一人がクライアントと共有し、一緒に成長できるための作業、そして「Google Analytics」はそれを実現させてくれる素晴らしいツール、ということです。
イベント実況&とって出しレポートという無茶してました
今回のイベント中、セッションの内容を Twitter で実況し、さらに「とって出しレポート」でブログにアップする、という「無茶しやがって…」なこともやりました。
- CSS Nite LP, Disk 8 Session 1「Google Analytics ベーシック」とって出しレポート
- CSS Nite LP, Disk 8 Session 2「仮説検証型、かつ4つの対顧客戦略でデータを見る ~Google Analyticsを使った分析のあるべき流れ」とって出しレポート
- CSS Nite LP, Disk 8 Session 3「ユーザー行動をセグメント化して、サイト改善 ~ユーザーの行動と気持ちに寄り添うセグメンテーション分析」とって出しレポート
- CSS Nite LP, Disk 8 Session 4「Web制作会社のための、顧客が逃げないGoogle Analyticsレポーティング ~成果アップのための解析「報告」の実践」とって出しレポート
- CSS Nite LP, Disk 8 Session 5「経営者視点のサイトリニューアル提案 ~Google Analyticsを使った経営成果の算出法 」とって出しレポート
CSS Nite の LP8 終了エントリーにてご紹介いただいております。鷹野さん、ありがとうございます。
ほぼメモ書きに近い状態ですがセミナーにご参加された方の復習、ご参加いただけなかった方にはイベントの空気つかみにご活用いただければ幸いです。
Google Analytics の基本機能の復習、「アドバンス セグメント」や「カスタム レポート」など活用しきれていない機能、仮説検証の重要性など、改めて気づかされることが多い1日になりました。
そして、今日学んだことを実践し、毎日コツコツとウェブサイトの改善に役立てていきます。
» CSS Nite LP, Disk 8が終了しました | CSS Nite公式サイト