富裕層のニーズに見るウェブサービスの参入機会

かつてお金持ちの家にしかなかったテレビや洗濯機が一般家庭にも普及していったように。お金持ちしか持っていなかったパソコンや携帯電話を1人1台持つようになったように。お金持ちの需要から一般の需要を見ることができるといえます。

あらゆるサービスが格安で、もしくは「無料」で提供されるウェブサービスにおいて、それらの需要を満たすことができるのではないかと思い、探ってみました。

富裕層の需要は娯楽/美容・健康/資産運用/セキュリティ/教育

ちょっと古い調査データになりますが、2009年4月にリリースされた「富裕層のライフスタイルと金融商品サービスに関するアンケート」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング、ナイルスコミュニケーションとの共同調査・調査結果詳細PDF)にて、富裕層の高額商品の購入傾向というものがあります。

調査結果によると最も購入意欲が高いものは、以下のようになっています。

  1. 「旅行/レジャー/スポーツ」(67%)
  2. 「食事/健康/美容」(52%)
  3. 「資産運用/遺言/相続」(39%)
  4. 「住宅/セキュリティ」(34%)
  5. 「お子様の教育」(34%)

現在この数値に変わっているものはあると思いますが、「娯楽」「美容・健康」「資産運用」「セキュリティ」「教育」という大まかな需要は変わっていないと思われます。これらのジャンルにおいて、ウェブサービスが参入できる機会について考えます。

娯楽

「娯楽」は一番需要が多いのに比例して、一番競争が激しい分野です。すでにモバゲーや GREE に代表される「ケータイ・ソーシャル・ゲーム」がこの分野でしのぎを削っております。

基本は無料で遊ぶことができ、単純なゲームが非常に多くリリースされているため、ユーザーとしてちょっとした暇つぶしには事欠かない反面、サービス提供者として参入するには厳しいジャンルです。

ソーシャル・サービスの良い所を実際の旅行やレジャー、スポーツと結びつけるサービスというのはまだ弱いので、この点は面白いかもしれません。

食事/健康/美容

食事の面はすでに充実したサービスが揃っています。ぐるなび、ホットペッパー、食べログ、クックパッド、30 min.、たべにこ、ソーシャル・ランチ、miil、etc…

今後の注目は美容・健康分野でしょう。

製品視点の「@cosme」の間逆ともいえる、成分視点の「美肌マニア」は、メーカー名や製品名にとらわれない、製品に使われている成分に注目することで、商品の本質から選ぶユーザーの需要に応えています。

健康分野において、今後も健康食品やサプリメントの市場はまだ続くかもしれませんが、その前段階で自分の健康や体調を管理し、病気を未然に防ぐサービスというのは大きな需要がありそうです。

資産運用

資産運用と書くと堅く感じますが、要は「お金を増やすこと」と「節約すること」です。お金を増やす方法は世の中にゴマンとありますし、今後もあらゆる形で提供されていくことでしょう。

遺言、相続については、弁護士や税理士など専門家の知識が必要となります。専門家の知識を共有するという点において参入の余地は大きそうです。

注目すべきは「節約」です。すでに多くの家計簿サービス、アプリがリリースされておりますが、「Zaim」は収入・支出の記入、月の予算の設定、支出の分析、さらに他のユーザーとの比較といった機能が無料で使えます。

住宅/セキュリティ

住宅/セキュリティの面において、シェアハウス、ソーシャル・アパートメントというのが注目されています。一軒家やアパートなどをリフォームしたものを複数の住人でシェアするものです。

個室などで個人個人のプライベートに配慮しつつ、新たなコミュニケーションの形として広がりつつあります。

教育

教育にかかるコストというのは、今後一番下がっていく分野だと思います。

インターネットで世界中の情報を検索して探すことができるだけでなく、YouTube などの映像コンテンツを使って無料で大学の講義を受講できる機会が増えています。

学校の講義だけでなく、あらゆる分野で教育サービスが増えていくでしょう。特にこどもの教育よりもお金がかかる大人向けの教育分野は幅広く、参入機会も大きいでしょう。「ドットインストール」はプログラミングの基礎を無料で学べるサービスとして広まっています。

今後、他のジャンルでの教育コンテンツの普及、教科書や参考書の電子書籍化など、教育環境から学習スタイルにいたるまで大きく世界が変わっていく分野であると思います。

 

今後、さらに便利なウェブサービスが私たちの生活需要を満たしていきます。ニーズのある分野、潜在的な欲求のある所を掘り起こすサービスを考えてみるのもよいです。