もはや音楽CDシングルはジャニーズファンしか買ってないのではないだろうか

2009年は音楽の聴き方が大きく変わっていることを強く感じた1年でした。

テレビの深夜に放送される音楽番組を見ていて、「COUNT DOWN TV」の「オリコン」などの CD の売上枚数をベースにしたランキングと、「レコ★Hits!」の「着うたフル」など音楽ファイル配信数をベースにしたランキングで、ランクインする楽曲が大きく異なっているなぁと思ったことが多かったのです。

CDTV ではジャニーズやアニメソングが多くランクインする一方で、レコ★Hits!ではボーカルグループや女性ボーカリストの音楽が多くかかっているイメージ。

CDと着うたフルという違いでここまで大きく違うのだろうかと思い、年間ランキングから、2009年に流行した音楽について確認してみました。

オリコン シングルCDランキングはジャニーズばかり

12月18日に発表された、オリコンの2009年シングル年間ランキングのベスト20は以下のとおり。数字は推定売上枚数です。

  1. Believe/曇りのち、快晴(嵐/矢野健太 starring Satoshi Ohno) 656,676
  2. 明日の記憶/Crazy Moon ~キミ・ハ・ムテキ~(嵐) 620,557
  3. マイガール(嵐) 513,186
  4. 愛のままで…(秋元順子) 489,138
  5. Everything(嵐) 423,004
  6. イチブトゼンブ/DIVE(B’z) 377,516
  7. RESCUE(KAT-TUN) 377,097
  8. ひまわり(遊助) 359,556
  9. ONE DROP(KAT-TUN) 331,248
  10. 急☆上☆Show!!(関ジャニ∞) 299,246
  11. 恋のABO(NEWS) 285,228
  12. THE HURRICANE ?FIREWORKS?(EXILE) 279,264
  13. 悪魔な恋/NYC(中山優馬 w/B.I.Shadow/NYC boys) 277,071
  14. THE MONSTER ?Someday?(EXILE) 270,513
  15. THE GENERATION ~ふたつの唇~(EXILE) 269,747
  16. Loveless(山下智久) 249,549
  17. たんぽぽ/海賊船/其の拳(遊助) 241,305
  18. BANDAGE(LANDS) 237,314
  19. 弱虫サンタ(羞恥心) 231,122
  20. MY LONELY TOWN(B’z) 229,866

オリコン2009年 シングル ランキング』より

「嵐」がベスト3を独占、ベスト20以内に11枚がジャニーズというランキング。嵐は Yahoo! JAPAN の2009年検索ワードランキングの「人名ランキング」 でも1位となっており、今年は大活躍の1年だったようです。

その他には B’z、EXILE、ヘキサゴンファミリー。女性アーティストは秋元順子さんの1曲しかランクインしていません。

このランキングの上位を見ると、もはやシングルCDはジャニーズファンしか買っていないんじゃないか、とも思えてしまいます。もちろんそんなことはないのですが、ジャニーズファンの多さ、強さはスゴいですね。

その他、今年目立った AKB48 は「RIVER」が22位、アニメ『けいおん!』内のバンド桜高軽音部は「Don’t say “lazy”」が33位にランクインしています。

「着うた」「着うたフル」の利用があたり前になった

2009年の音楽業界にはジャニーズや B’z、 EXILE などしかいなかったのかというと、もちろんそんなことはありません。

では、その他の人はどこに行ったのかというと、行き先の一つとして「着うた」「着うたフル」というのがあります。

社団法人 日本レコード協会の統計データによると、CDシングルの生産数は2000年から2006年を除いて減少しており、2008年の生産実績は 5372万7千枚で、生産金額では 399億4500万円。(『社団法人 日本レコード協会|各種統計 CDシングル』より)

一方、2008年の有料音楽配信「Ringtunes」(着うた)の売上実績は、1億8249万8千回(2007年比 82%)で 202億4900万円(2007年比 81%)。「シングルトラック」(着うたフル)の売上実績は、1億4226万9千回(2007年比 128%)、476億2900万円(2007年比 139%)。

Ringtunes の売上実績は2008年から減少に転じていますが、シングルトラックの配信数はCDシングルの生産枚数の約3倍となり、これまでのような大きな成長はおさまったものの 2009年も前年比を超える成長を続けています。(『社団法人 日本レコード協会|有料音楽配信売上実績』より)

「レコチョク」が発表する「着うたフル」の年間ランキングは以下のようになっています。

  1. 遥か(GReeeeN)
  2. 明日がくるなら(JUJU with JAY’ED)
  3. 春夏秋冬(ヒルクライム)
  4. イチブトゼンブ(B’z)
  5. ふたつの唇(EXILE)
  6. キセキ(GReeeeN)
  7. ひまわり(遊助)
  8. 素直になれたら(JUJU feat.Spontania)
  9. 歩み(GReeeeN)
  10. Butterfly(木村カエラ)
  11. Ti Amo(EXILE)
  12. Aitai(加藤ミリヤ)
  13. Love Forever(加藤ミリヤ×清水 翔太)
  14. もっと…(西野カナ)
  15. 君に会いたくなるから(西野カナ)
  16. やさしさで溢れるように(JUJU)
  17. 刹那(GReeeeN)
  18. 扉(GReeeeN)
  19. Share The World(東方神起)
  20. 伝えたい事がこんなあるのに(INFINITY 16 welcomez 若旦那 from 湘南乃風 & JAY’ED)

「レコチョク」 – 「着うたフル®」ダウンロードランキング』より

ジャニーズは原則として着うたフルの配信を行っていないことや、所属レーベルによって配信されていない楽曲もありますが、オリコンシングルCDランキングとは大きく顔ぶれが変わっています。

ちなみにオリコンランキングで1位だった嵐の「Believe」は、「着うたランキング」では11位にランクインしています。

その他、iPod やウォークマンで聴く人は「レンタル」で済ます、という割合も多いでしょう。

TSUTAYA online が発表する、2009年レンタルCD【シングル】ランキングは以下のようになっています。

  1. 明日がくるなら(JUJU)
  2. 歩み(GReeeeN)
  3. 刹那(GReeeeN)
  4. Believe/曇りのち、快晴(嵐/矢野健太 starring Satoshi Ohno)
  5. 遥か (GReeeeN)
  6. イチブトゼンブ/DIVE(B’z)
  7. ひまわり(通常盤)(遊助)
  8. 明日の記憶/Crazy Moon ?キミ・ハ・ムテキ?(嵐)
  9. Love Forever(加藤ミリヤ×清水 翔太)
  10. Everything(嵐)

009年レンタルCD【シングル】ランキング – TSUTAYA online』より

音楽業界は「フリーミアム」の流れが激しい

それ以上に、音楽業界は「フリーミアム」(基本的なサービスを無料で提供し、さらに高度な機能や特別な機能について料金を課金する仕組み)の影響が激しく受けている分野であるとも思われます。

2年前の記事になりますが『「違法着うた・着うたフル」は正式配信数を上回る──日本レコード協会調査』という記事もあり、2008年の調査結果 では違法音楽ファイルのダウンロード数は年間4億ファイルを超えると推定され、有料配信数よりも多く、依然として増加の傾向にあるとのことです。

それでなくともレコード会社の状況は悪いようで、ジャーナリストの津田大介さんは『津田大介さんに聞く:ダウンロード違法化、補償金問題…… ネットと著作権、2010年はどうなる (1/2) – ITmedia News』にて、以下のように語られています。

「レコード会社は今、相当厳しい状況になっている。この仕組みが5~6年後に実現したとしても、そのころ大手レコード会社がどれぐらい残っているだろうか……。来年は3社ぐらいに減り、再来年はそのうち1社が危ない状態になるのでは」

レコード会社自ら無料で音楽配信をする所も増えており、YouTube にはエイベックスの「avex Channel」やビクター・エンタテイメントの「Victor Music Channel」、オフィスオーガスタの「AUGUSTA CHANNEL」などが開設され、ミュージックビデオが配信されています。

楽曲、音楽コンテンツ自体が「フリー」の波に逆らうことができなくなっております。

CDを買って聴くだけから、レンタルやインターネットなどを通じて音楽ファイルを取得してパソコンやケータイ、iPodなどで聴くという様々な楽しみ方が定着しました。

その他にも YouTube などでの Music ビデオ視聴や USTREAM などのインターネットによるライブ配信なども増え、楽しみ方がさらに増えていくことでしょう。

もちろん、「フリー」で音楽を楽しむことによって生のライブの価値が高まり、ライブに行く楽しむ人も増えるという流れもあります。ライブや音楽フェスティバルに力を入れるアーティストやレーベルも増えているようです。

今後、私たちの音楽の楽しみ方がどのように変わっていくか、音楽を楽しみながらも見逃せない所です。

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