Twitterドラマ「素直になれなくて」を見た

素直になれなくて
“Twitter をテーマにした”フジテレビのドラマ「素直になれなくて」を見ました。
テレビドラマの第1話をしっかり見るのは数年ぶりぐらい。
大方の予想通り”Twitter”は今のブームに乗って名前を出しただけのような感じで取り扱われており、話はほぼベタベタの恋愛ドラマの導入で終了。
ただ、それ以外の伏線が多すぎてお腹いっぱいになりました。

今の流行りは”ケータイ小説”風?

「Twitter を通じて知りあった」男女5人が本当の友達、仲間になっていくのを描くドラマ。

  • 中島圭介(ナカジ) – 戦場カメラマンを目指す駆け出しカメラマン。キレイな恋人がいる。
  • 水野月子(ハル) – 高校の新米講師(非常勤?)。教科は国語。”素直になれない”正確のため24年間恋人はいない。
  • パク・ソンス(ドクター) – オフ会で医者と名乗るが、実は医療器具メーカーの営業。なかなか契約が取れず、上司に「水をかけられる」などいびられる毎日。妹と一緒に住んでおり、生活は厳しそう。
  • 西村光(ピーち)- ハルの同級生で親友。子供服店の販売員。不倫中でリストカット癖がある。
  • 市原薫(リンダ)- 雑誌編集者。目をかけられている女上司からセクハラを迫られる。

オープニングからナカジが誰かを助けに駆けこんでいくシーン。そこから時間が巻き戻り、5人がオフ会に行くやりとりを交わす。
ここで「渋谷なう」とか投稿する様子が出されるが、Twitter をメインに出したのはほぼここだけ。
この後、カフェでハルがナカジのズボンにコーヒーをこぼし、一悶着あった後、オフ会で再開し、徐々に距離を詰めていく、というベタベタの展開。
一方でオフ会の後にドクターは仕事で呼び出され、ピーちとリンダはホテルに直行するも、事は起こらずじまい。
ナカジとハルはギクシャクしながらも帰り道が一緒という事で、なんやかんやありながら距離が縮まっていき、キスするというお約束展開。でも、ナカジにはきれいな彼女がいて、さてどうする、ということらしい。
これだけでも「そんなことねーよ!」という展開だけど、さらに伏線がいっぱい。

  • ハルにはひきこもりの弟がいて、悪い友人と付き合いがあり、クスリもやっているっぽい。
  • ハルの学校の生徒の中で、深い交際をしている生徒同士がおり、妊娠検査薬まで買って確認している。
  • ドクターは職場で水をかけられたり、経費を自腹にさせられたり、ヒドいパワハラにあっている。
  • ドクターの妹が書店で参考書を万引き。生活が苦しくて買えない?
  • ピーちは不倫中の男性のこどもができた疑いがあったができていなかった。ただ相手の男性はその話を聞いても冷たい反応。
  • リンダは女上司に目をかけられているが、そのお返しにカラダの関係を求められている。

1話目から自殺、クスリ、お持ち帰り、妊娠、パワハラ……とどれだけ詰め込みすぎているのか、と。
まるで、”ケータイ小説(笑)”のようなネガティブな伏線の多さ。こういう展開が今のテレビドラマの主流なのでしょうか。
あくまでフィクションであるとしても、仕事で疲れて帰ってきて疲れた頭と体で見るには、心身ともに堪える内容であったことは間違いありません。

「Twitter やってる人はこんな人ばかり?」と思われるのは違う

また、このドラマの脚本家の北川悦吏子さんのツイートが、ドラマの放送前後で話題になりました。
» (削除された北川さんのツイートの一部)
» Togetter – まとめ「とあるTwitterドラマ脚本家の本音」
『ツイッターはシステム。調べて勉強して慣れれば誰でも使いこなす。機械やシステムを使いこなすのが、エライ、と思うのってバカみたい』
というのは言葉は乱暴ですがある意味正論だと思いました。
ただ、その言葉をインターネット上で、ましてドラマのテーマである Twitter 上で発言するのはどうなのでしょうか。
また、

フォローの人数が少なくてツイッターわかるか?って不思議な問いかけじゃない?何人フォローしようと、ツイッターはツイッターでしょ?ちなみに、ドラマの登場人物もたくさんの人をフォローしてません。

Twitter / 北川悦吏子』より

とありますが、その登場人物たちの全員が全員、重すぎる問題を抱えてるのもどうなのでしょう?
あくまで「ドラマでフィクションだから」という事なのかもしれません。0とはいいませんが、Twitter ユーザーのみんながみんな、パワハラにあっていたり、家族がひきこもりでクスリまでやっていたり、するわけではありません。99%以上は「普通の人」です。
「普通の人」が主役になれないというのは十分にわかっていますが、それでも視聴者の抱える悩みや不安に近い設定で演出することは可能だったと思います。
視聴者の10人中9人以上は Twitter のことをあまり知らない(使っていない)ということを踏まえると、「Twitter やってる人ってこういう人ばかりなんだ」と思われる可能性がある描き方をしているのはおかしなことです。

1話完結型の方が良かったのでは?

最近は「テレビ番組の視聴率低下」というのが見出しになるくらいになってきているのですが、それでも人気になるテレビドラマはあるようです。
今クールでは、上戸彩さん主演の「絶対零度 -未解決事件特命捜査-」という刑事ドラマが18.0%を記録したそうです。(「素直になれなくて」は11.9%)
「絶対零度 -未解決事件特命捜査-」は、未解決事件を検証し直すというテーマのドラマで1話完結型ドラマ。
1話完結型には、他にも『ガリレオ』や『33分探偵』などがあり、忙しくて毎週欠かさず見るのが難しい今の視聴者には見やすい型です。
もう、今となっては遅いのですが、Twitter ドラマも「1話完結型」の方が良かったのではないでしょうか。
私が知る限りでも、Twitter を通じて仕事が見つかった、恋人が見つかった、激しい恋をした、初恋の人に会った、家族から連絡が来た、結婚した、大切な仲間ができたという話があります。
1つ1つは小さい事かもしれませんが、それぞれにドラマがあり、その前後と実際の状況を取材し、脚本にして演じてもらえば、立派なドラマになったことでしょう。
また、Twitter をやっている人、本人たちとしても「私の話が出た!」とか「あの人の話がドラマになった!」として良い方向に広まっていったのではないかと思います。
なぜ、あえて、あのようなネガティブ方向の伏線をちりばめたのか。その方が今の視聴者にウケると思っているのか。残念で気持ちになりました。
とりあえず、第1話を見て、ネガティブな伏線でおなかがいっぱいになったので、第2話目をしっかり見る可能性は低いと思います。それでも面白ければ、周りから評判が回ってくるでしょうから、また見るかもしれません。
いろんな感情があるのですが、上手く言葉にできない、素直になれない感想となってしまいました。
» 素直になれなくて – フジテレビ