「SEOが無意味になる」というエサに釣られてみた

SEOが無意味になる。infoseekが示唆する未来 | Web担当者Forum』という記事を読んで。
この記事に、あえて釣られてみる。

そもそも infoseek を使っている人の割合は?

まず、infoseek ってどれくらい使われているのだろう?
このブログに検索エンジンからアクセスしてくる人の割合について、2008年12月分の Google Analytics でのアクセス解析データを出してみる。

検索からの合算セッション数 8,392

  1. google 4,961
  2. yahoo 3,188
  3. search 221
  4. live 10
  5. msn 8
  6. ask 3
  7. aol 1
  • search.www.infoseek.co.jp / referral 10

Google が約 59 %、Yahoo!JAPAN が 約 38 %、その他が 10 %という状況。ウチのブログは Google と相性が良いようなので、Google からのアクセスが Yahoo! よりも多くなっている。
ただ、他に運営しているサイトもあわせて確認しても、「Google と Yahoo! で 約 9 割」という割合はあまり変わらない。
ユーザー数の少ない検索エンジンの運営において、収益を上げるために広告の割合が多くしている、ということなのだろう。

検索エンジンは自分の首を絞めるようなことをするか?

増える広告に、広告と気がつかない広告が、検索結果への信頼を下げたとします。その時、検索エンジンの利用率は今のままだと考えることはできません。

Google も Yahoo! もオバカではないので、自分の首を絞めることはしないでしょう。ユーザーの利用状況、広告の出稿状況、最適な表示形式・表示数を調整しながら、検索エンジン・広告出稿企業・ユーザーの3者が利益を得られるような仕組みにしています。
Overture や Google AdWords も今は金額だけでなく、広告の品質(クリック数など)も審査して広告の精度を高めています。
『「国産うなぎ」かと思ったら「中国産うなぎ」だった』ということがわかれば、速攻で表示が停止されます。
また、ユーザー側ものんきに検索結果を見ているだけでなく、検索の経験を積むことで、「ここは広告だからスルー」と無意識に行動します。

検索エンジンも「広告」以外の収益源を得ようとしている

グーグル以降「検索エンジン」の収益源は広告が相場となっています。

たしかに Google は AdWords の成功で大きく成長しました。しかし、それ以後は新しいサービスの提供、買収などによりサービスを広げています。収益としても Google Checkout がわかりやすい例として始まっています。
Yahoo!JAPAN は日本最大のポータルサイトとしての広告媒体価値を持ちつつ、Yahoo!オークションや Yahoo!ショッピング などの収益部門もあります。
infoseek も楽天自体が日本最大級のショッピングポータルサイトですし、楽天カード、楽天証券、楽天トラベルなどの収益源を持っています。
今や、検索エンジンの運営を行う所で、検索エンジンからの広告収入だけで全体の事業をまかなう所は少ないのではないでしょうか。

検索自体「楽したい」行為だし、それをまかなうだけの「情報」が提供されている

技術の進化、市場の誕生には、人々の「楽したい」という意識が大きく関わっている部分もあります。
「自分でご飯をつくるのは面倒」な人のために「レストラン」があり、「歩かずに長距離を移動したい」という人のために電車やバス、タクシー、飛行機などがあります。
「検索」も「自分の知りたい情報を素早く見つけ出したい」という「楽したい」気持ちから生まれているものです。
「楽したい」というのは現代に限らず、昔からある欲求です。

共通語に訳せば「検索は面倒ではありませんか」。適切な検索結果を得るためには、周辺情報が不可欠で、「鈴木愛理」に辿り着くために「℃-ute」や「Buono!」、または「ピザーラ CM」と検索窓に入力します。これすら「面倒」と考える「楽したい症候群」の人間が多数派となったときに、従来の検索エンジン、そしてSEOは役割を終えます。

検索エンジンは「インターネット上の情報を整理し、キーワードに対して最適な順番で提供する」というものであり、検索エンジン単体で成り立ってはいません。
「鈴木愛理」と Google 検索するとイメージ検索の次に Wikipedia のページが表示され、そこで「℃-ute」や「Buono!」というグループのメンバーであることがわかります。
わざわざ、「鈴木愛理」というキーワードを知っている人が、

「鈴木愛理」に辿り着くために「℃-ute」や「Buono!」、または「ピザーラ CM」と検索窓に入力

することはないでしょう。むしろ「鈴木愛理」の検索結果から、

  • 「℃-ute」や「Buono!」のメンバーである
  • 「ピザーラのCM」に出演している

という周辺情報を補完しています。
「楽したい」という人々の欲求にあわせて、検索エンジンも進化しています。

人々が知りたいのはトレンド

最近の各社が取り組んでいる「レコメンド(オススメ)検索」も彼らには無意味です。行動しないので「好みの集積」ができず、オススメする根拠を失うからです。するとこんなサービスが登場するのではないでしょうか。

「今日の検索結果」

ネット上の情報だけなら、既存サービスのマッシュアップですぐに実現可能かもしれません。テレビやラジオ、雑誌、新聞の情報、そしてブログの出現キーワードから最も多く検索されるであろうキーワードの検索結果を複数の検索エンジンから抽出して提供するものです。

それならすでにあります。「キーワードランキング」という形で。
テレビなどのマスメディアや、ブログなどでにぎわっている話題が知りたいのなら、検索エンジンとして「提案(レコメンド)」しなくても、みんなが調べている「トレンド」さえ提供すれば済む話です。

検索エンジンをいかに「ホーム」にするか

SEOとは検索エンジン各社のホームで戦う「アウェイゲーム」です。

これを言うなら、検索エンジンという「第三者」の場所を借りて、競合と争っているだけです。
検索エンジンのルールが変わったからといって、競合が有利になる保証はなく、全然無関係なサイトが上位表示されることもよくあることです。
大事なのは、検索エンジンをいかに「ホームゲーム」に近づけるか、ということです。
サッカーで「国立競技場」はどのチームのホームグラウンドでもありません。重要な試合が「国立競技場」で行われる場合、サポーターに多く動員してもらい、自分のチームの「ホームゲーム」に近づけると雰囲気として有利になります。
検索エンジンという場所、検索エンジンが提供するルールに沿って、その中で競合よりも優位に立つことが大事です。
「SEO」が「対策キーワードでの上位表示」というものすごく狭い意味から抜け出して、「検索エンジン最適化」という形で活用していかなければならない。

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